研究課題
我々は、14.1 Tの高磁場を用いた高解像の磁気共鳴映像法(MRI)装置、MR顕微鏡を開発し、メダカなどの小型魚類ヒト疾患モデルを非侵襲に3次元撮像を行っている。本研究では、MR顕微鏡を用いて、1個体に対し、経時的に疾患の発症から進展の過程を定量的イメージングにより多角的に可視化し、遺伝子たんぱく質レベルの知見や病理学的所見と照らし合わせることで、疾患の発生から進展過程のすべてを(ライフスパン)病理学的に追跡することを目的としている。本年度においては、新規導入のスペクトロメータでの昨年度発見されたタイミングの不具合を修正し、撮像シーケンスでのタイミング調整、繰り返し時間の制御の精密化等を行い、撮像シーケンスの最適化を行なった。また、RFコイルの抵抗率を低くなるように開発を行い、信号雑音比の向上を図った。これらの改良を施したMR顕微鏡を用いて、ガン抑制遺伝子を変異させたガンモデルのメダカの経時観察を引き続き行った。その中で、昨年度、MR顕微鏡のT1、T2*加重画像から見出された、ガンモデルのメダカの高齢の個体での遺伝子型の違いによる腎臓以外の部位の異常を示唆する結果をふまえ、定量的イメージングであるDIXON法による撮像を行なった。さらに、昨年度のガンモデルのメダカの高齢時での末梢血と組織切片の解析をライフスパンでの解析へ拡張した。これらの結果を論文として執筆中である。また、タウタンパク質を過剰発現させたメダカ(タウオパチーモデル)の行動実験の標本数の増強を図り、昨年度の結果の補強を行うことができた。また、メダカの糖尿病とタウオパチーの併発モデルへの応用に向け、生きたまま脳微小血管の可視化する光干渉断層撮像(OCT)の系を構築し、野生型のメダカの終脳で、血球と同程度の径を持つ脳微小血管の撮像に成功した。これらの結果を投稿中である。
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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