研究分担者 |
奥田 修二郎 新潟大学, 医歯学系, 准教授 (00512310)
二村 学 岐阜大学, 大学院医学系研究科, 准教授 (10415515)
大島 貴 横浜市立大学, 医学部, 准教授 (10448665)
北川 雄光 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 教授 (20204878)
沖 英次 九州大学, 大学病院, 助教 (70380392)
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研究実績の概要 |
2003年ヒトゲノム計画完了後ゲノム研究は急速な進展を遂げ,2000年代は癌ゲノムの時代として個別の癌の遺伝子異常の解明が進んでいる。次世代シークエンサー(NGS)の開発等の技術革新によって癌ゲノムの特徴が明らかになり将来癌治療はゲノム医療へと移行すると考えられる。アメリカではThe Cancer Genome Atlas (TCGA) と称する癌ゲノムプロジェクトが進行しており,様々な癌種のゲノムが発表された。これはがんの病型分類、薬剤感受性・耐性に関連する遺伝子変化などの可能性が示唆され,Precision medicineの実現という究極の臨床応用に向かっての解析が行われている。胃癌においてもゲノム変化がTCGAによって解析された。これは変異・増幅・メチル化等のゲノムDNA変化に加えmRNA・microRNA・蛋白発現解析によって、胃癌を4つのサブタイプに分類されたがこの結果は,今後治療薬を考えるうえで重要な情報を提供できる可能性を示唆している。しかしながら,TCGAの胃癌データは75%欧米人,25%アジア人(ベトナム: 15%, 韓国:10%)由来のデータで日本人のデータは未だない。今回の研究では、日本人の胃癌ゲノムをCancer Plex[癌関連遺伝子435種類の次世代シークエンサー(NGS)によるゲノムテスト]を用いて解析し,日本人のデータベースの構築を行う(1)胃癌における日本人と欧米人のゲノムレベルでの違い,日本人の胃癌の特徴を明らかにする(2)胃癌のゲノム変異データに基づくより的確な薬剤選択を提案する(3)本邦における胃癌術後補助療法大規模臨床試験におけるResponderとNon-responderを抽出し,臨床病理学的データに加えて新たにゲノム解析行い,薬剤感受性サロゲートマーカーの同定を試みる。
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