研究課題
1)Tandem Mass Tags (TMT) labeling、LC-MS/MSを用い同定された、膵癌特異的血清proteinについてのvalidation、およびELISA系の確立。膵癌3症例の術前術後血清をTMTでlabelingし、LC-MS/MSにて同定された血清蛋白のprofile比較から術前:術後peak比が2倍以上の20種の蛋白がpick upされ、その中、術前術後症例を増やし検証すると、膵癌特異的血清蛋白としてC4b-binding protein alpha chain (C4BPA)が術前の方が術後と比較し有意に高値であった。C4BPA値を膵癌と膵炎および他癌種との比較を行ったところ、健常人・膵炎・膵癌sample間において、C4BPA値は健常人と比較し膵癌で有意に上昇し、健常人と膵炎間で差はなく、膵癌では有意に上昇していた。他種の癌血清中C4BPA値との比較においても、膵癌での有意な上昇が認められた。2)膵癌切除標本を用いたC4BPA蛋白の免疫染色を行うと、C4BPAの膵癌間質への発現を確認した。さらに、C4BPAの間質での発現が高いほど予後が良好であることが示された。今後は、免疫担当細胞との関連について検討する予定である。3)胆道癌術前術後3症例の血清を用いて、胆道癌術後より術前に高値である血清中のエクソソームを網羅的に探索し同定を試みたところ、新規胆道癌バイオマーカーとしてThrombospondin-1が術前血清中で術後血清中と比較し、より高値であることが分かった。癌におけるThrombospondin-1発現は浸潤・転移に関わる働きが注目されており、今後の研究の展望として血清バイオマーカーのみならず、浸潤転移の癌進展機構への役割について明らかにしたいと考える。
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