研究課題/領域番号 |
17H04288
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研究機関 | 静岡県立静岡がんセンター(研究所) |
研究代表者 |
上坂 克彦 静岡県立静岡がんセンター(研究所), その他部局等, 研究員 (20283434)
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研究分担者 |
岡村 行泰 静岡県立静岡がんセンター(研究所), その他部局等, 副医長 (10704489)
杉浦 禎一 静岡県立静岡がんセンター(研究所), その他部局等, 研究員 (10402588)
伊藤 貴明 静岡県立静岡がんセンター(研究所), その他部局等, 研究員 (30765938)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 膵癌 / 補助化学療法 / S-1 / 塩酸ゲムシタビン / バイオマーカー |
研究実績の概要 |
膵癌は最も悪性度の高い固形癌であり、肉眼的治癒切除が達成された場合にも効率かつ早期に再発をきたす。したがって、効果的な術後補助化学療法の確率は急務である。膵癌補助化学療法の有効性、S-1が塩酸ゲムシタビンを上回る治療効果があることは証明されたが、各治療群で個人差を認めたことは今後の課題である。 本研究は、大規模臨床試験データを活用して、S-1, GEMの効果予測因子となるバイオマーカーを検索し、膵癌テーラーメード補助化学療法を実現することである。 申請者らは、まずこれまでにS-1, GEMの薬剤感受性予測に有用であると報告されたDPYD, SLC29A1の免疫染色結果と予後との相関、mRNA発現量と免疫染色強度の関係に関して解析を行い(平成29年度の研究実績概要に記載)、学会発表、論文作成し、投稿した。 収集した326例中319例において、DPYD, SLC29A1以外の膵癌バイオマーカー候補であるTP53, CDKN2A/p16, SMAD4/DPD4, HuR, SPARC, TYMSの免疫染色を終了し、発現強度の判定を行った。 mRNA発現解析に関しては、22遺伝子すべての測定結果が得られており、S-1群、GEM群の予後に関連するcut-off値を検索したが、適切なcut-off値は得られず、mRNA発現量における予後予測は困難と考えられた。一方で、E7F7遺伝子で有用なcut-off値が得られたので、新たなバイオマーカー候補として、平成31年度に免疫染色を行う予定としている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画に則り、まずDPYD, SLC29A1の免疫染色結果と予後との相関、mRNA発現量と免疫染色強度の関係に関して解析を行い(平成29年度の研究実績概要に記載)、学会発表、論文化をし、英文雑誌に投稿した。 各バイオマーカー候補のmRNA発現量とDPDY, SLC29A1以外の免疫組織化学染色を施行した。TP53, CDKN2A/p16, SMAD4/DPD4, HuR, SPARC, TYMSの免疫染色は終了し、現在、発現強度の判定中である。
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今後の研究の推進方策 |
免疫染色を終了したTP53, CDKN2A/p16, SMAD4/DPD4, HuR, SPARC, TYMSの発現強度判定を行い、それぞれの遺伝子においてS-1群、GEM群において予後との相関を解析する予定であり、その後、学会発表、論文化を行う。 膵癌新規バイオマーカー候補である、E2F7の免疫染色を行う予定である。
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