研究課題/領域番号 |
17H04290
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
古森 公浩 名古屋大学, 医学系研究科, 教授 (40225587)
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研究分担者 |
杉本 昌之 名古屋大学, 医学部附属病院, 病院講師 (00447814)
児玉 章朗 名古屋大学, 医学部附属病院, 病院講師 (10528748) [辞退]
伊藤 猛雄 名古屋市立大学, 大学院医学研究科, 研究員 (70159888)
坂野 比呂志 名古屋大学, 医学部附属病院, 講師 (80584721)
室原 豊明 名古屋大学, 医学系研究科, 教授 (90299503)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 内膜肥厚 / EDHF / 異常血流モデル / 内皮機能 |
研究実績の概要 |
内皮細胞は Nitric Oxide(NO)と内皮由来過分極因子(EDHF)を介して血管平滑筋を弛緩させることが知られている。内皮由来のNOは自発的またはアセチルコリン(ACh)やshare stressなどの各種刺激により産生される。動脈グラフトのNOとEDHFについて詳細な検討はない。今回、ウサギ自家動脈グラフトモデルを用いて、動脈グラフトの内膜肥厚および内皮依存性弛緩反応についてNOとEDHFに注目して検討する。 1)poor run offモデル作成と静脈グラフト作成 静脈グラフト作成:ウサギ動脈グラフトを施行する前に、正常血流下静脈グラフト手術を行い手術手技を習得した。異常血流モデル(内膜肥厚モデル)の作成と静脈グラフト移植:右内頸動脈および右外頸動脈三分枝のうち二分枝を結紮し、内膜肥厚が著明となるpoor run offモデル作成の習得を行った。次にpoor run offモデルに静脈グラフトを作成し, 内膜肥厚モデル手術手技の安定化をめざした。 2)正常血流動脈と異常血流モデルの動脈の内皮機能の比較 実験方法:収縮弛緩反応は等尺性収縮張力法で検討した。4週間目の頸動脈をリング標本としてKrebs液を満たしたオーガンチャンバーにセットした。アセチルコリン(ACh)による濃度依存性弛緩反応を検討するため,PGF2αで前収縮させた後、AChを投与した(一部の標本では内皮を除去した)。また内皮由来のNO を検討するためL-NNA存在下でも同様に実験を行った。結果:異常血流動脈(n=4)の弛緩反応が正常血流(n=4)に比べ障害されていた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
ウサギ異常血流モデル、自家静脈モデル、自家静脈モデルなどのモデル作成が安定してくるのに、全く血管吻合の経験がない場合、その手術の技術習得に時間を要するのが最大の要因である。
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今後の研究の推進方策 |
今後は移植前の正常血流、異常血流の頸動脈の内皮機能の比較検討をさらに進める。 次に異常血流モデルと正常血流モデルに動脈グラフトを作成し、その内皮機能を等尺性収縮張力法を用いて検討し、ならびに微小電極法を用いてEDHFの反応を比較検討する。あわせて正常血流、異常血流での動脈グラフとの内膜肥厚を組織学的に検討する。
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