研究課題/領域番号 |
17H04301
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
齊藤 延人 東京大学, 医学部附属病院, 教授 (60262002)
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研究分担者 |
今井 英明 東京大学, 医学部附属病院, 特任講師 (70359587)
中冨 浩文 東京大学, 医学部附属病院, 准教授 (10420209)
武笠 晃丈 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (90463869)
宮脇 哲 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (70407914)
高柳 俊作 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (90406489)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | Precision Medicine / 遺伝子型 / ゲノムコホート / 遺伝性脳血管疾患 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、脳神経外科疾患(脳血管疾患・良性腫瘍)患者よりゲノムおよび組織サンプル収集を行い、臨床情報と照らしてゲノムコホートの構築を行うことにある。第一に、既知の原因遺伝子の網羅的遺伝子解析を行い遺伝的背景に基づき臨床像と合わせて分類・層別化する。次いで、疾患組織や腫瘍サンプルから得られた遺伝子情報をもとに統合的に解析し、重症度や予後に関わる修飾因子(遺伝子)を同定することを目指す。本年度は正確な臨床情報に基づくサンプル収集(ゲノムコホートの構築)を行う。本研究において鍵となるのは正確な臨床情報および画像診断に基づくサンプル収集である。対象とする脳血管疾患として、脳血管狭窄を多発する「もやもや病」、血管腫が多発する「海綿状血管奇形」、良性腫瘍としては、脳血管芽腫を多発する「VHL病」、髄膜腫や神経線維腫を多発する「NF2」を対象とした。これらの疾患に関して既知の遺伝子の解析を行った。もやもや病に関しては、RNF213という疾患関連遺伝子の解析から、いくつかの疾患関連のrare variantを同定した。海綿状血管奇形に関してはこれまでのところ、多発病変を有するCCM例5例に対して次世代シークエンサーを用いた全エクソン解析を施行し、3例(60%)に変異が認められる結果をえた。いずれも過去に報告のない変異であった。NF2に関してはNF2遺伝子の解析を行い、NF2の変異型が臨床経過と相関がある結果を得た。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
各疾患のサンプル収集状況は良好で、また既知の原因遺伝子の解析は順調に進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
既知の原因遺伝子の変異のパターンと臨床的な特徴との関連解析を行い、既知の原因遺伝子の臨床的意義を明らかにする。またさらに網羅的な遺伝子解析を行い、臨床経過や臨床的特徴に影響を与える修飾因子の同定を目指す。
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