研究課題
近年、エクソソームなどの細胞外に分泌される小胞がmicroRNAやタンパクなどの情報を他の細胞へ伝える細胞間情報伝達機構として注目されている。本研究の目的は、変形性関節症で重要な働きをするADAMTSや関連分子を標的とするmicroRNAが含まれるエクソソームを分離し、microRNAを含んだエクソソームがどの様に細胞に取り込まれて機能するのかを明らかにすることでその役割を統合的に解析することである。変形性関節症(OA)早期に重要なアグリカナーゼ(ADAMTS)を標的とするmicroRNA、すなわち、OAではたらく候補microRNAを複数個同定することに成功した。さらに、候補microRNAの遺伝子導入実験にも成功してADAMTSやMMPに作用することも確認できた。実際に、これまでに報告のないmicroRNA-Xを軟骨用細胞に対して強制的に発現させると、ADAMTSのmRNAを90%抑制することを定量PCR法にて見出した。エクソソームはがん細胞や炎症細胞から多く分泌されているが、実際には正常細胞も分泌しており、組織の恒常性維持に関わる機能を担っていることが考えられた。エクソソームの細胞に取り込まれるメカニズムは、細胞選択性や疾患特異性を表現している可能性がある。このメカニズムの同定は、エクソソームの情報伝達機構を理解する上で、細胞生物学的にも大きなインパクトを与え、波及効果が期待できる。この重要課題を解決するために『エクソソームの表面膜成分』と『細胞側の取り込みタンパク』の2つを解明する、新たな研究を展開すべき状況となった。
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