研究課題/領域番号 |
17H04320
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
山内 正憲 東北大学, 医学系研究科, 教授 (00404723)
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研究分担者 |
杉野 繁一 東北大学, 大学病院, 助教 (00423765)
城戸 幹太 神奈川歯科大学, 歯学部, 診療科講師 (40343032)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 神経障害性疼痛 / 長鎖非翻訳RNA / ゲノム網羅的関連解析 |
研究実績の概要 |
2018年度は遷延性術後痛の新しいモデルであるSMIRモデルの開発とラットDRGニューロンのFACSによる分離技術の開発を目指した.前者は分担者の城戸により,Buvanendranの開胸術後痛モデル(Anesth Analg 2004;99:1453)を参考に下肢でモデルを作成した.疼痛刺激は熱刺激と機械刺激を用いた.安定したデータが獲得されつつあり,2019年11月の北米日本神経科学会でデータを発表予定である.また後者の研究は分担者の杉野が担当した.杉野はコラゲナーゼDとトリプシンの使用により,多くのDRGニューロンを単離することに成功した.さらにNeuN抗体で免疫染色した後,FACSでNeuN陽性の細胞を取り出すことを現在,検討している.細胞懸濁液には分離不十分な組織の混入やdebrisも多くみられ酵素の濃度や遠心分離の条件などさらなるプロトコルの最適化が必要だと考えられる.しかしながら現時点でもラット1匹の片側のDRG3つ(L4-L6)の単離で,50万個/mL以上の単離片を獲得できており,NeuN抗体の染色でもdebrisは染まらず,自家蛍光もわずかであることを確認ずみである.FACSでの分別成功も近いと予想される.われわれの研究計画では2018年度の終盤にSMIRモデルラットからDRGを採取して,DRGニューロンを単離した後,FACSで集めて総量RNA溶液を抽出する予定であったが,間に合わなかった.だがこの遅延は技術的困難さが原因ではなく,実験時間確保が不十分であったためである.2019年度はプロジェクトを加速する必要がある.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
われわれの研究計画では2018年度の終盤にSMIRモデルラットからDRGを採取して,DRGニューロンを単離した後,FACSで集めて総量RNA溶液を抽出する予定であったが,間に合わなかった.だがこの遅延は技術的困難さが原因ではなく,実験時間確保が不十分であったためである.2019年度はプロジェクトを加速する必要がある.
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今後の研究の推進方策 |
2019年度の早い時期に2018年度に達成予定であった遷延性術後痛の新しいモデルであるSMIRモデルとラットDRGニューロンのFACSによる分離技術との融合を目指す.
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