研究課題/領域番号 |
17H04327
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
山崎 俊成 京都大学, 医学研究科, 講師 (00607749)
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研究分担者 |
赤松 秀輔 京都大学, 医学研究科, 助教 (20767248)
小川 修 京都大学, 医学研究科, 教授 (90260611)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 前立腺癌 / 腎癌 / CTC / cfDNA / 薬剤感受性 / バイオマーカー |
研究実績の概要 |
去勢抵抗性前立腺癌(CRPC)や腎細胞癌において分子機構に基づく多くの薬剤が使用可能になった。当教室ではこれまで患者検体から複数のゼノグラフトモデルを作成し、癌の薬剤抵抗性機序解明を行ってきた。しかし、臨床において組織検体の継時的採取はしばしば困難で、個別化医療のためには遺伝子情報に基づいて薬剤の感受性を予測できる血中ゲノムマーカーが強く求められている。我々は血中遊離DNA(cfDNA)および血中循環腫瘍細胞(CTC)に着目し、digital PCRを用いて遺伝子異常を同定する方法を確立した。本研究では治療中の患者から継時的にcfDNAやCTCを採取し解析することでCRPCや腎細胞癌における薬剤感受性や病勢を予測するシステムを構築し、各病態に最も適した治療を選択する“プレシジョン医療”を実現することを目標とする。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
CRPC102症例のcfDNAのアンドロゲン受容体遺伝子(AR)のコピー数および変異をdigital PCRや次世代シーケンサーを用いて解析し、増幅を46例に、変異を24例に同定した。そして新規のAR経路阻害剤アビラテロンではARの異常が効果予測因子になりうることを確認した。また一部の症例ではcfDNAを継時的に採取し、病勢に応じてARの状態が変化することも確認した。 またCRPC症例からCTCを抽出し、スプライスバリアントであるAR-V7を定量化する方法も確立した。
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今後の研究の推進方策 |
昨年度に引き続きCRPC症例のcfDNA中のARの異常やCTC中のAR-V7の発現を調べ、病態や薬剤効果との関連を評価する。
cfDNA中のVHL遺伝子解析の方法を確立し、腎細胞癌症例で検証する。
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