研究課題
我々は血中遊離DNA(cfDNA)および血中循環腫瘍細胞(CTC)に着目し、digital PCRを用いて遺伝子異常を同定する方法を確立した。本研究では治療中の患者から継時的にcfDNAやCTCを採取し解析することでCRPCや腎細胞癌における薬剤感受性や病勢を予測するシステムを構築し、各病態に最も適した治療を選択する“プレシジョン医療”を実現することを目標とする。CRPC102症例のcfDNAのアンドロゲン受容体遺伝子(AR)のコピー数および変異をdigital PCRや次世代シーケンサーを用いて解析し、増幅を46例に、変異を24例に同定した。そして新規のAR経路阻害剤アビラテロンではARの異常が効果予測因子になりうることを確認した。また一部の症例ではcfDNAを継時的に採取し、病勢に応じてARの状態が変化することも確認した。またCRPC症例からCTCを抽出し、スプライスバリアントであるAR-V7を定量化する方法も確立した。腎細胞癌症例においても、cfDNA中のVHL遺伝子変異をtargeted amplicon sequencingにて同定する解析手法を確立し、臨床情報との統合を進めている。
2: おおむね順調に進展している
上記の通り、概ね順調に研究成果を得ている。
腎細胞癌症例で、cfDNAにおけるVHL遺伝子変異と病態・薬剤効果との関連を評価する。
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Scientific Reports
巻: 9 ページ: 4030
10.1038/s41598-019-40719-y.