研究課題
我々が構築した日本人遺伝性難聴リポジトリより、非常に多くの新規変異を同定した。その中から、CLDN14, OTOA, DIAPH1, MYO6, POLD1, EPHA2といった遺伝子に関して解析を行い、それぞれ論文化した。なおACTG1遺伝子に関してもin pressである。CLDN14の変異は日本人で始めての報告で、新規の変異であった。詳細な臨床症状も始めて報告されたもので、CLDN14機能を理解する上で重要な一歩である。OTOAは染色体のCopy number variationによる劣性遺伝形式をとる難聴で大きな頻度を示すことを示した。我々は以前にDIA1(DIAPH1遺伝子産物)がC末部のDADドメインの欠損により恒常活性化し難聴の原因となることを報告したが、今回はDIDドメインの変異による難聴を見出し、このDIDドメインがDADドメインと結合することによる自己調節を生化学的および微小イメージングで示した。MYO6遺伝子には27種の変異を同定し、うち22種は新規であった。このMYO6遺伝子変異による難聴は進行性であり、特に40歳以降に進行度が増していた。変異型のMYO6は培養細胞(LLC-PK1-CL4細胞)における微絨毛の伸長を阻害しており、不動毛のアクチン動態への関与が示された。POLD1遺伝子の変異は難聴以外にも症状を起こすことが知られているが、今回我々は非症候群性難聴患者から新規変異を見出し、この変異型POLD1はポリメラーゼ活性が低下しているものの欠失には至っておらず、エクソヌクレアーセ活性は保たれていた。またEPHA2遺伝子変異を同定した。これは、すでに難聴遺伝子として知られているペンドリン(SLC26A4遺伝子)と複合体を形成していることを明らかにした。
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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