研究課題/領域番号 |
17H04346
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研究機関 | 福島県立医科大学 |
研究代表者 |
錫谷 達夫 福島県立医科大学, 医学部, 教授 (40196895)
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研究分担者 |
小林 敬広 福島県立医科大学, 医学部, 助教 (00708745)
腰塚 哲朗 福島県立医科大学, 医学部, 講師 (20416267)
宮崎 希 福島県立医科大学, 医学部, 助教 (40725876)
石岡 賢 福島県立医科大学, 医学部, 助教 (50305356)
小川 洋 福島県立医科大学, 公私立大学の部局等, 教授 (70264554)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | サイトメガロウイルス / 先天性サイトメガロウイルス感染症 / 聴覚障害 / トロピズム / 薬剤スクリーニング |
研究実績の概要 |
1)マウス聴覚障害モデルの解析 マウスサイトメガロウイルスを使ったマウス聴覚障害モデルを使って、聴覚障害の進行を抑制する治療法がありうるか否かを検討した。鼓室内に抗ウイルス薬・ガンシクロビルあるいはステロイドを投与した。ガンシクロビルには全く効果が認められなかったものの、ステロイドを投与したマウスの2~3割に聴覚障害の軽快が認められた。これは内耳でウイルスの増殖が認められない中で聴覚障害が進行するという我々の報告に合致するものであった。なお、ステロイドを全身投与すると感染の進行によってマウスが死亡した。 2)抗ウイルス薬のスクリーニング 本年度は増殖に伴ってルシフェラーゼを発現するウイルス株を使ったスクリーニング系を構築した。今後この系を使って薬剤のライブラリーのスクリーニングを行う予定である。 3)トロピズムの異なるウイルス株の解析 同一患者から分離出来た上皮系細胞に感染できるサイトメガロウイルス株と出来ない株の全塩基配列の決定を行っている。80%ほど塩基配列を決定できた段階で、2株にシークエンスの違いは認められなかった。これまでトロピズムに関係すると報告されている遺伝子は全て解析を終了したが、その中にも候補となるような変異は存在しなかった。このことから、エピジェネティックな修飾がトロピズムを決定している可能性が考えられ、次年度以降、DNAの修飾を解析することにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究はおおむね順調に進行している。次年度に向けた準備もすでに完了し、研究の推進と論文化を目指す。
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今後の研究の推進方策 |
本年度樹立した抗サイトメガロウイルス薬のスクリーニング系を使って新たな抗ウイルス薬の開発を試みる。 トロピズムを決定する因子の同定は、DNAのエピジェネティックな修飾の解析を中心に進める。 in vitro での潜伏感染系の樹立を進める。
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