研究課題/領域番号 |
17H04352
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
眼科学
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研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
木下 茂 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (30116024)
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研究分担者 |
上野 盛夫 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (40426531)
羽室 淳爾 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 客員教授 (80536095)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 再生医療 / 角膜内皮細胞 / 脱分化 / ミトコンドリア / エピジェネティクス / 代謝リプログラミング / 細胞同調 / miRNA |
研究成果の概要 |
培養ヒト角膜内皮細胞を前房内に注入する世界初の再生医療が臨床的に角膜移植を凌ぐ長期に亘る臨床効果を確認した(New Engl J Medicine, 2018 )。本再生医療の成功は、多数の不均質な細胞亜集団が存在するヒト角膜内皮細胞の培養系において亜集団を識別する技術を確立し、内皮間葉系移行の生じない脱分化法を確立し小型で細胞密度が高い亜集団の高効率培養を樹立したことに基づく。規格細胞のエネルギ代謝はミトコンドリア依存性酸化的呼吸に傾斜し、TCA 経路に係るミトコンドリア偏在代謝酵素は全て規格細胞で高進し、脱分化細胞の分化破綻に核局在AcetylCoAの偏在が役割を果たすことが想定された。
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自由記述の分野 |
眼科学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究で確認された臨床効果に優れる培養ヒト角膜内皮規格細胞のミトコンドリア機能の解析やエネルギー代謝特性の明確化は、細胞注入再生医療全般に対し新しい方向性を示唆するものである。解糖系の代謝酵素の高進やグルタミンの細胞内取り込みにより代謝系のリプログラミングが引き起こされることで脱分化細胞からの分化の破綻が生じるとの考え方は学術的にも新しい。臨床効果の劣る非規格細胞における子の分化破綻機構に、ミトコンドリア内でなく細胞質や核内に存在する AcetylCoAがEpigenetic多遺伝子発現に係り非規格細胞の形質発現を制御するとの考え方は国際的にも全く新しい知見である。。
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