研究課題
200MPaで10分間高静水圧処理を巨大色素性母斑治療に臨床応用し、高圧処理した母斑を用いて真皮再生を行い、表皮は培養表皮を用いて再生するFirst-in-human臨床研究について報告した論文が掲載された。この研究では、10例の患者に高静水圧処理を実施し、脱落した1例の患者を覗く9例の患者で、再移植1年度の評価で母斑の再発はなく、培養表皮の生着もあられることを確認した。現在は、高静水圧処理機器の医療機器としての承認を目指した医療機器治験を実施中である。また、高静水圧処理を皮膚悪性腫瘍、及び骨の悪性腫瘍に応用するために基礎研究を継続して実施した。骨への応用については、骨肉腫株細胞を用いて、200MPa、10分間の高静水圧処理で細胞が死滅すること、また免疫不全マウス(ヌードマウス)を用いて骨肉腫モデルが作成できることを確認した。このモデルを用いてマウスに作成した悪性腫瘍が高静水圧処置で完全に死滅させることができるかの検討を継続して実施する予定である。また、高静水圧処理した骨を再移植した場合に、骨の癒合が得られることを確認するための検討を開始しており、ラット頭蓋骨を高静水圧処理後に再移植し、骨が癒合するか検討している。100MPa以下での処理について、50MPa、36時間で皮膚のアポトーシスを誘導できることをマウス皮膚で確認した。しかし、ミニブタ皮膚を用いた検討では完全な細胞死が確認できなかったため、再度処理条件の検討を行っている。
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Plast Reconstr Surg.
巻: 148 ページ: 71e-76e
10.1097/PRS.0000000000008084.