研究課題/領域番号 |
17H04365
|
研究機関 | 国立研究開発法人国立循環器病研究センター |
研究代表者 |
神谷 厚範 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 研究所, 室長 (30324370)
|
研究分担者 |
杉町 勝 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 研究所, 部長 (40250261)
|
研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
キーワード | 自律神経 |
研究実績の概要 |
集中治療医学の循環管理は、患者生命予後を直ちに決する重責を担う。高度な技術や豊富な経験を要し、医師の身体的心理的ストレスは大きい。特に医療過疎地では、専門医の不足や過労を背景とした医療過誤が社会問題となっている。本研究では、集中治療医学を支援する自動治療システムの開発を目指す。研究チームの、自動循環管理システムプロトタイプでは、患者の循環動態を計測して人工知能に送り、循環系モデルを用いて観測不可能な内部3特性を定量化(=自動診断)、独自アルゴリズムで治療命令信号を計算し、ポンプ外部制御で4薬剤(強心剤・血管拡張薬・輸液・利尿剤)を同時に投与して、循環系の全体を目標値に制御した。この多重安全システムについて検討した。一方、心不全などの各種疾患では、自律神経異常(例えば、交感神経の過緊張、迷走神経の過抑制)が病勢を増悪させることがある点に着目し、自律神経を電気刺激してこの神経異常を是正する実験的治療について、検討した。この電気的な神経医療の治療候補を探索する手段として、電気的刺激を代替する遺伝学的な神経操作について検討した。小動物において、遺伝学的な神経操作を行い、実際に神経活動が変化するかどうかを、神経活動の実測や推定によって検討した結果、この遺伝学的な神経操作は、実際に神経活動を変化させることが判明した。この実験結果よりお、遺伝学的な神経操作は、電気的な神経刺激を代替し得ることが示唆された。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
遺伝学的な神経操作が、電気的神経刺激を代替し得る点について、これを支持する結果が得られたため。
|
今後の研究の推進方策 |
計画の通りに、進める。
|