研究課題
粘膜組織における微生物感染において、正の免疫応答に続いて起こる負の免疫応答(免疫抑制)が、適切な時期・強さで起こることが、免疫学的ホメオスタシスを保つために極めて重要であり、この免疫抑制がうまく作用しない時に、慢性炎症や過剰な免疫抑制による二次感染が起こると考えられる。この現象は免疫麻痺と呼ばれ、特に臨床において入院患者が二次的に院内感染した際には、場合によっては死に至るなど大きな問題となっている。そこで本研究では、正の免疫応答に続く免疫抑制機構について、各免疫細胞同士の相互作用に留意しながら、時空間的に明らかにする。また、これら制御機構における免疫チェックポイント分子の役割を示すことにより、in vivoにおいてエフェクター機能をいかに適切に制御できるかを目的とする。本年度は、ザイモザン投与によるモデルマウスを用いてGr1陽性CD11b陽性細胞における解析を行った。この細胞は1週間後までは増加がみられるが、その後減少し3週間後までには対照群と差がなくなった。しかし、その後のエンドトキシン投与による炎症性サイトカイン産生が、モデルマウスにおいて抑制されることを見出した。そこでこのモデルマウスのGr1陽性CD11b陽性細胞を単離して、ナイーブマウスに移入してからエンドトキシンを投与しても、同様に炎症性サイトカイン産生が抑えられたことから、この細胞がエンドトキシンによる免疫応答に対する抑制を引き起こす可能性が示された。
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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