研究課題
<臨床研究:CAD/CAMレジン大臼歯クラウンの後向き臨床評価>2017年12月から2021年3月の間に大阪大学歯学部附属病院口腔補綴科にて装着された大臼歯CAD/CAMレジン冠117装置の臨床経過を調査した.臨床イベントは約16.7%に認められ, 主なイベントは脱離であった.装着用材料の種類については,セルフアドヒーシブレジンセメントと比較してプライマー併用型接着性レジンセメントを用いることが,冠の脱離防止に有効であった.支台歯および冠の三次元デジタルデータを解析により,頬舌テーパー度,支台歯高径,支台歯表面積,および冠咬合面の厚さが冠の脱離に有意な影響を与えていることが明らかとなった.非線形グラフからは,支台歯高径および支台歯表面積が小さい値であるときに,プライマー併用型接着性レジンセメントを用いることが冠の脱離防止に有効であることが認められた.本研究結果より,CAD/CAMレジン冠の臨床において現在推奨されている支台歯形成量は過多であり,このことが冠の脱離に影響を及ぼしている新たな知見が得られた.<基礎研究:CAD/CAM冠レジン冠内面処理のためのレジンプライマーの接着能評価>市販されている大臼歯CAD/CAM冠用レジンブロックを基準として,そのフィラー半減量ブロックおよびフィラーを含まないブロックを試作し,MMA含有プライマー処理がフィラー含有量の異なるCAD/CAM冠用レジンブロックの接着性に与える影響をシラン処理をコントロールとして比較検討した.その結果,プライマー処理群においてはシラン処理群とは異なり,レジンブロックのフィラー含有量が高くなると有意に接着強さが低下した.接着界面のSEM観察から,プライマー処理群においてはシラン処理群には認められなかった特徴的な5~10μmの帯状層が接着界面に観察された.
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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