研究課題
口腔顔面領域の疼痛を主徴とする疾患は少なくないが,圧倒的に発症頻度の高い疾患は顎関節症である.従来,診断および治療が困難な疾患として敬遠されがちであった顎関節症は,臨床エビデンスの確立により近年になってその診断法および治療法が進歩し,ようやく‘治せる’疾患になった.その一方で,適切と思われる治療を行っても思うような治療効果が得られない難治性の顎関節症患者がいることも臨床上の事実である.顎関節症患者が治療計画通りに治癒に向かうか,慢性化・難治化するかの分かれ道には,遺伝学的要素が少なからず関連しているとの指摘があるが,その詳細は不明である.本研究は,遺伝学的見地から術前に顎関節症の慢性化のリスクを予知する方法の探索を試みることを目的とする.平成31(令和1)年度は,遺伝学的アプローチを中心に行った.顎関節症症状を主訴として来院した30歳以上の患者84名を対象とし,84名中40名は2019年1月から8月までに来院した連続サンプルより抽出し,残りの44名は2015年から2018年までに来院し,顎関節MRI検査を受けたおよそ800名の患者のデータベースから,重度の下顎頭退行性骨変化を認める群(OA群)30名と両側とも円板転位や骨変形等の解剖学的異常を認めない正常な顎関節を有する群(non-OA群)14名を抽出した.これら被験者の頬粘膜からFLOQSwabs (COPAN社)を用いて非侵襲的に採取し,得られたDNA試料を用いてMASSARRAY SNP解析を行った.その結果,OA群とnon-OA群間に,FTO遺伝子およびTP63遺伝子のSNPのアレル分布に有意差を認めた.
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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