研究課題
本研究の目的は、咀嚼・嚥下運動時の口腔底・頸部筋群の活動を詳細に評価できるシステムを構築することである。本研究では筋電図計測システムを用いて、咀嚼時、構音時および舌根部挙上運動時の筋電図記録を行う。客観評価を行うには、当該システムにおいて用い得るキャリブレーション手法を確立することが必要である。1.構音時の舌機能について被験音は舌根部の挙上運動を伴う/ka/、/ko/、/ga/、/go/の4音とし、その声量をサウンドレベルメーターを用いて70dB、60dB、50dB、40dBの大きさとなるよう規定した。さらに構音時の舌圧を測定するために、口蓋に圧力センサを設置した。舌圧データの日内変動を評価するために級内相関係数を使用したところ、すべての被験音、音量において高値を示した。このことから、構音時の舌圧測定手法は日内変動が少なく、信頼性、再現性があることが示唆された。また、構音時の舌根部挙上運動における筋活動量を、筋電図標準化の指標として用い得る可能性が示唆された。2.咀嚼時の舌機能について被験食として、硬くて粉砕を要するものとしてグミゼリー、柔らかくて粉砕を要するものとしてスポンジケーキを用い、これらの摂食に際して観察される舌機能を評価した。これらの食材においては咀嚼初期、中期、後期すべてにおいて、同側で片側咀嚼を行った際のN-EMGの振幅値は反体側に比して有意に大きかった。粉砕を要する食品では、咀嚼の初期段階から嚥下の直前まで、咬合面での食塊保持が行われていることが示唆された。
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Journal of Oral Rehabilitation
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日本顎口腔機能学会雑誌
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