研究課題
研究者らは先行研究において睡眠時ブラキシズムとセロトニン2A(5-HT2A)受容体遺伝子の一塩基多型(SNP)との関連を報告し,細胞レベルでの睡眠時ブラキシズム発症メカニズム解明を目標に睡眠時ブラキシズム患者およびコントロールより樹立したiPS細胞より5-HT2A受容体遺伝子を発現する神経細胞の誘導法を確立した.本研究ではSNPによる機能的差異の解明を目的として,iPS細胞樹立と神経分化誘導,表現型解析を目指すものである.2019年度は,睡眠ポリグラフ検査による睡眠時ブラキシズムの確定診断とSNPの遺伝子型解析により決定された睡眠時ブラキシズム患者およびコントロールのiPS細胞から,領域特異的誘導法を用いて神経細胞への誘導を行なった.HTR2Aプロモーター領域下流に蛍光タンパクZsGreenを挿入したレポーターレンチウイルスを作製し,様々な性質を有するニューロンが混在する状態からHTR2A陽性ニューロンを蛍光標識した.分化過程における遺伝子発現をqRT-PCRにて確認し,誘導された神経細胞に対し抗5-HT2A受容体抗体を用いた免疫染色による確認を行なった.可視化されたニューロンを対象としてホールセルパッチクランプを行ない,神経細胞の電気刺激への応答(電位記録モード),5-HT2A受容体選択的アゴニストであるTCB-2投与時の応答(電流記録モード)を観察した.目的とする神経細胞の測定を行なった結果,脱分極性パルスに対する連続発火が認められ,さらに,TCB-2(80μM)を投与したところ,内向き電流の発生を認めた.これによりターゲットニューロンの機能を電気生理学的に解析可能なモニタリングシステムを確立した.
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2020 2019 その他
すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (1件) 学会発表 (6件) (うち国際学会 3件) 図書 (1件) 備考 (1件)
Journal of Innovative Zahnmedizin
巻: 2019 ページ: 6-17
https://researchers-achievements.showa-u.ac.jp/