研究課題/領域番号 |
17H04402
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
鵜澤 一弘 千葉大学, 大学院医学研究院, 准教授 (30302558)
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研究分担者 |
中嶋 大 千葉大学, 大学院医学研究院, 助教 (50431747)
坂本 洋右 千葉大学, 医学部附属病院, 講師 (50451745)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | エクソソーム / drug delivery system / siRNA / ミサイル療法 / 口腔癌 |
研究実績の概要 |
本研究は標的細胞特異的なdrug delivery systemの開発研究であり、ヒト免疫機構などの影響を受けない安全な輸送の担体となるエクソソームによるシステムの開発を目指している。癌患者の生体組織から分離・培養可能と考えられる線維芽細胞に着目し、そこから単離されたエクソソームを利用することで理想的な輸送の担体を確立し、標的細胞特異的なdrug delivery systemを研究することは今後の癌治療における新たな道を開く一助となると考えている。 以下に本年度の成果を示す。 1. ヒト胎児線維芽細胞への標的遺伝子搭載:エレクトロポレーションを用いて標的遺伝子発現プラスミドベクターを導入し、ヒト胎児線維芽細胞に標的遺伝子を高発現させることに成功した。 2. エクソソームへの標的遺伝子搭載:標的遺伝子を高発現させたヒト胎児線維芽細胞より抽出したエクソソームに、標的遺伝子が搭載されていることを確認した。 3.エクソソーム吸着能評価試験:エクソソームRNAを蛍光標識し口腔癌細胞(SAS)へ作用させたところ、標的遺伝子搭載エクソソームがコントロールと比較して高い効率で口腔癌細胞へ取り込まれることを確認した。 4. エクソソームへのsiRNA搭載:エレクトロポレーションを用いて、当講座で同定した癌関連遺伝子のsiRNAをエクソソームに搭載することに成功した。 5. siRNA搭載エクソソームを用いた細胞増殖能試験:細胞増殖能に関与する遺伝子のsiRNAを搭載した標的遺伝子高発現エクソソームを口腔癌細胞(SAS)に作用させたところ、コントロールと比較して有意に細胞増殖能が低下していることを確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
使用する細胞種の変更(樹状細胞⇒線維芽細胞)はあるが、計画通りに研究は進行している。
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今後の研究の推進方策 |
現在、増殖能以外の機能解析を進めている段階である。 機能解析が完了すれば予定通りに担癌マウスを使用したsiRNA搭載エクソソームによる増殖能試験を含む機能解析などに進む予定である。
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