研究課題/領域番号 |
17H04405
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
佐々木 朗 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 教授 (00170663)
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研究分担者 |
岸本 晃治 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 助教 (40243480)
志茂 剛 北海道医療大学, 歯学部, 教授 (40362991)
奥井 達雄 岡山大学, 大学病院, 助教 (40610928)
吉岡 徳枝 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 助教 (50362984)
伊原木 聰一郎 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 准教授 (80549866)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 癌骨破壊病変 / マスト細胞 / 癌関連線維芽細胞 / 骨吸収機構 / 血管新生 / ケミカルメディエーター / 口腔扁平上皮癌 / 破骨細胞 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は,癌骨破壊病変の癌関連線維芽細胞とマスト細胞との相互作用による骨吸収機構の解析を行い,癌骨破壊病変の新治療の開発の基礎的基盤を目指すものである。平成29年度は本研究における重要な課題であるマスト細胞の作製,B-CAF 細胞(骨由来癌関連線維芽細胞)の作製について主に検討を行った。B-CAF細胞の発現遺伝子についてはマイクロアレイにてNGFの発現増強を確認している。平成30年度は骨破壊病変の局所微小環境における癌関連線維芽細胞とマスト細胞との相互作用について検証を行った。マスト細胞と破骨細胞誘導に関して,細胞株であるP815(肥満細胞腫),3T6(線維芽細胞株),SAS(口腔扁平上皮癌細胞株)を用いた。癌関連線維芽細胞の作製には3T6細胞とSAS細胞の共培養を行った。CMはSAS単体のもの,3T6単体のもの,P815単体のもの,B-CAF(SASと3T6 共培養)をそれぞれ用意した。4~8週令のBALB/c-nu/nuマウス脛骨・大腿骨から骨髄を採取しα‐MEM(10ng/ml,M-CSF添加)で一日培養後、浮遊細胞を回収し,30ng/mlのM-CSFと50ng/mlのRANKLをコントロール以外のすべてのメディウムに添加した破骨細胞形成系に対してCMが30%ずつの濃度になるように,それぞれのCMを添加し破骨細胞形成をTRAP染色により確認した。P815(CM)群,SAS(CM)群では破骨細胞の誘導促進を認めた。3T6(CM)群,CAF(CM)群では差は認めなかった。以上の結果は,癌骨破壊病変の局所環境において骨吸収系を誘導するのは主に癌細胞ならびにマスト細胞から産生される因子の可能性が考えられたが,ケミカルメディエーターや脱顆粒により放出されるヒスタミン等の物質の中どの物質が破骨細胞誘導を促進しているかなど,他の骨代謝系の変化についての検証を現在行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究の主体となるマスト細胞を安定性の関係で,培養細胞株に変更しての再検討が必要となったため,やや全体の計画が遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
研究の主体となるマスト細胞の安定性の関係で培養細胞株に変更して再検討を行った。安定して細胞培養や培養上清の回収が行えるようになった。マスト細胞の産生する因子が癌骨破壊病変における骨吸収系に関与する点は平成30年度にCMでの結果に基づき示されているため,現在,その結果に基づき進行中のものが多いので,大学院生の協力を得て順次行っていく。
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