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2017 年度 実績報告書

成熟機能細胞の分化転換能(分化可塑性)を利用した新たな組織再生療法の可能性

研究課題

研究課題/領域番号 17H04411
研究機関鶴見大学

研究代表者

里村 一人  鶴見大学, 歯学部, 教授 (80243715)

研究分担者 舘原 誠晃  鶴見大学, 歯学部, 講師 (90380089)
徳山 麗子  鶴見大学, 歯学部, 学内講師 (20380090)
井出 信次  鶴見大学, 歯学部, 非常勤講師 (00611998)
梅木 泰親  鶴見大学, 歯学部, 助教 (10552408)
田所 晋  鶴見大学, 歯学部, 非常勤講師 (70552412)
研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワード分化転換 / 分化可塑性 / 再生医療
研究実績の概要

失われた組織や臓器の再生を目指す再生医療実現のための細胞源として、現在幹細胞を用いた研究が進められているが、生物学的制約や倫理的問題、遺伝子導入の安全性などいまだ克服すべき点は多い。そこで本研究では、再生医療の実現において必要な細胞の供給源を、従来の幹細胞ではなく、生体内において最終分化した細胞とし、これらの最終分化細胞を遺伝子導入を行うことなく、周囲環境の変化のみにより分化転換させ、目的とする再生医療を実現できる可能性につき検討する。このため、再生を目指す組織・臓器環境に適した成熟機能細胞の選定を行うことで、どのような再生環境においていずれの成熟機能細胞が細胞源として適しているかを明らかにするという、新規の再生医療の確立を目指した基盤研究を行っている。
初年度には、マウス大腿部より骨片を採取して骨芽細胞を分離培養した。この骨芽細胞を神経誘導培地により培養すると神経細胞用細胞に変化し、また神経分化マーカーが遺伝子発現していることを確認した。このことから初代培養骨芽細胞は、in vitro下に神経細胞へ分化することが示された。現在は骨芽細胞株MC3T3-E1、初代培養骨芽細胞による細胞移植実験を行い、現在脊髄組織の組織学的検索を進めている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

脊髄損傷モデルマウスの作製にあたり、安定した手技の確立に時間を要していた。現在、一部細胞を用いた細胞移植実験を行い、脊損後に経時的に採取した脊髄損傷部分の脊髄組織の組織学的検索を進めているが、検討項目が多く組織の処理および試料の整理に時間を要している。

今後の研究の推進方策

骨芽細胞株MC3T3-E1、初代培養骨芽細胞を用いて脊髄損傷後の神経再生、下肢運動機能回復などが可能か否かについて個体数を増やして検討を継続する。各群間でその後のマウス下肢運動の経時的に観察する。また、脊損後3、5、7日目、2、4、8、12、16週目に組織を採取し、脊髄切断部、切断部頭側、切断部尾側における脊髄組織の組織学的検索を行い、それぞれに関連した組織修復・再生の有無につき検討する。また、これらの組織において、神経細胞関連分子を指標として、RNAレベル、タンパク質レベルでその発現につきreal-time PCR、免疫組織化学的手法等を用いて検索し、移植細胞の動向、発現分子の変化、周囲細胞への分化誘導の有無、分化転換の有無について詳細に確認する。このとき、必要に応じて、MC3T3-E1および初代培養骨芽細胞にGFP遺伝子を導入し、周囲の既存細胞との識別に利用することにより、いずれの細胞が相互にどのような関係にあるのか、相互分子シグナルの発現の有無、相互に分化転換誘導が行われているのか、などにつき検索することで、新たな再生医療確立を目指す。以上を確認することで、骨芽細胞株MC3T3-E1と同様に初代培養骨芽細胞でも脊髄損傷の再生が可能か否か、再生を目指す環境に細胞を置くことによる分化転換を利用した再生医療が不死化細胞株・初代培養細胞にかかわらず共通して認められる現象なのかを明らかにし、両者が脊髄損傷における再生医療の細胞源として応用可能か否かを確認する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2017

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 新規口腔粘膜治療薬としてのナノウマプラセンタの可能性について2017

    • 著者名/発表者名
      井出信次、戸田(徳山)麗子、梅木泰親、田所 晋、竹部祐生亮、寺田知加、福島龍洋、舘原誠晃、里村一人
    • 学会等名
      第27回日本口腔内科学会・第30回日本口腔診断学会合同学術大会

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公開日: 2018-12-17  

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