研究課題/領域番号 |
17H04424
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研究機関 | 大阪歯科大学 |
研究代表者 |
片岡 宏介 大阪歯科大学, 歯学部, 准教授 (50283792)
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研究分担者 |
神 光一郎 大阪歯科大学, 医療保健学部, 准教授 (00454562)
土居 貴士 大阪歯科大学, 歯学部, 講師 (20388375)
三宅 達郎 大阪歯科大学, 歯学部, 教授 (40200141)
川端 重忠 大阪大学, 歯学研究科, 教授 (50273694)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | マウス唾液腺 / 形質細胞 / 最終分化 / CD4陽性T細胞 |
研究実績の概要 |
昨年度は、粘膜アジュバントと抗原をマウスに経鼻投与することにより、唾液中抗原特異的IgA抗体の誘導開始からプラトー(初回経鼻投与後9日目から15日目)に達するまでの時間的経過を観察した。この情報をもとに本年度は、最も抗体産生細胞の誘導が認められる時期(初回経鼻投与後10日目)における形質細胞(IgD陽性B細胞)のポピュレーション解析を試みた。鼻腔底後方に位置する免疫誘導組織(NALT)では形質細胞のポピュレーションはほとんど認められなかったが、対照群(抗原のみ投与)との差も認められなかった。しかし、マウス唾液腺(顎下唾液腺、舌下唾液腺)と唾液腺周囲に存在する顎下リンパ節における解析では、舌下唾液腺を除く免疫実効組織では形質細胞はほとんど認められず、対照群との差も認められなかったが、舌下腺においては、IgD陽性B細胞の存在が数%認められ、またこのIgD陽性B細胞はほとんどがIgA陽性であった。そして、同部においては、CD138陽性細胞が対照群と比較して、有意に誘導されていることが認められた。このことは、IgA陽性B細胞からIgA陽性形質細胞への最終分化が舌下腺で行われている可能性を示している。 次に、粘膜アジュバントと抗原の初回経鼻投与後9日目の舌下唾液腺におけるT細胞サブセット解析を行ったところ、対照群と比較した時、CD4陽性T細胞が有意に誘導されていることが明らかとなった。そこで、この舌下唾液腺CD4T陽性細胞を分取し、抗原刺激した抗原提示細胞と共培養5日間した時の培養液中産生サイトカイン解析を行ったところ、IL-2およびIL-5、IL-6産生が対照群マウスからのCD4陽性T 細胞とは有意な差が認められた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初サイトカイン解析はマイクロアレイ法を用いる予定だったが、mRNAの調整に手間取ったため(理由は不明であるが実験室環境が影響しているのかもしれない)、昨年度の予定もやや遅れていたことから、これまでも実績のあるサイトカインELISA法により行うことにより順調に進捗することとなった。
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今後の研究の推進方策 |
当初の予定通り、これまで若齢マウスを用いていたが、今年度は老齢マウスを用いることにより、若齢マウスとの相違を検討する。
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