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2019 年度 実績報告書

careとcureを融合した看護薬剤学モデルの開発

研究課題

研究課題/領域番号 17H04432
研究機関横浜市立大学

研究代表者

赤瀬 智子  横浜市立大学, 医学部, 教授 (50276630)

研究分担者 佐武 利彦  横浜市立大学, 附属市民総合医療センター, 准教授 (60271318)
研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2022-03-31
キーワード看護学 / 薬理学
研究実績の概要

在宅・施設・病院における患者の薬の適正使用を明らかにすることを目的として、全国より研究協力が得られた薬局109店舗の患者を対象に全身作用型貼付剤の使用状況と認識についてアンケート及びインタビュー調査を実施している。現在アンケートは、892部配布し、回収率15.1%である。また、インタビュー調査に協力得られた患者は17人である。現在までの結果としては、患者のほとんどが、貼付剤を正しく使用できていると回答しており、用法用量は添付文書通り使用できている傾向にあるが、薬剤の剥がし忘れや貼り忘れが起きていた。また、アンケートにて剥がし忘れや貼り忘れがないと回答した患者にインタビューで詳細に確認したところ、剥がし忘れや貼り忘れがあると訂正した事例も多くあった。薬効を感じない患者は副作用も出現しないと認識している傾向にあった。また、小児の保護者に全身作用型貼付剤(ツロブテロール)の使用方法と認識についてアンケート調査を実施したところ、回収率19.4%であった。使用方法について、剥がし忘れ21%、貼り忘れが27%、残薬有が61%であり、その用途については知人が必要になった時にあげる、別の症状で貼りたい時に使うなどの回答もあり、危険な有害事象につながる可能性が示唆された。与薬方法のエビデンスの創出と方法論の構築については、経皮吸収に影響を与える要因と軟膏の塗布方法の確立を目指し、アトピー性皮膚炎患者を対象(病院に通う成人患者50名、小児保護者16名)とした実際の患者の軟膏の塗り方調査を実施した。ステロイド外用薬の使用量は規定量より少ない実態であった。成人患者はステロイド外用薬の副作用への不安が原因で塗布回数や塗布量を自己調節している者は約4割、副作用を誤ってイメージしている患者が多かった。小児保護者に関しては50%以上が塗布回数や塗布期間の遵守ができていなかったことが示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

在宅・施設・病院における患者の薬の適正使用に関する実態調査を実施している。アンケートを配布し、回収している途中である。インタビューは17人中8人終了している。小児の保護者に全身作用型貼付剤の使用と認識に関する調査を実施したが、その結果を現在論文化している。与薬方法のエビデンスの創出と方法論の構築については、経皮吸収に影響を与える要因と軟膏の塗布方法の確立を目指し、アトピー性皮膚炎患者を対象とした実際の患者の軟膏の塗り方調査を実施し終了している。成人患者を対象とした調査は論文投稿中であり、小児保護者を対象とした調査は論文としてアクセプトした。昨年度の計画に対し順調に進んでいる。

今後の研究の推進方策

現在遂行している、在宅・施設・病院における患者の薬の適正使用に関する実態調査についてまとめ、論文化をする予定である。また、与薬方法のエビデンスの創出と方法論の構築については、経皮吸収に影響を与える要因と貼付剤の与薬方法の確立を目指し、研究のまとめを実施するとともに、与薬方法についての方法論を教育に使用できるようまとめていく。

  • 研究成果

    (10件)

すべて 2020 2019

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (9件)

  • [雑誌論文] A fact-finding study on treatment with ointment provided by parents of children with atopic dermatitis2020

    • 著者名/発表者名
      A Sugimura, Y Matsumoto, T Akase, T Sato, Y Yamakawa, S Takahashi and M Aihara
    • 雑誌名

      Medicine and Biology

      巻: 160(2) ページ: i2 Oe01

    • 査読あり
  • [学会発表] 肥満皮膚の創傷治癒に対するバイブレーションセラピーの効果とメカニズム解明2020

    • 著者名/発表者名
      福田真佑, 吉田智, 赤瀬智子
    • 学会等名
      第34回日本糖尿病・肥満動物学会
  • [学会発表] 外来患者における全身作用型貼付剤に関する実態調査2020

    • 著者名/発表者名
      櫻井利行, 渡邉日花里, 吉田智, 赤瀬智子
    • 学会等名
      日本薬学会第140年会
  • [学会発表] 日本人表皮組織における薬物代謝酵素2020

    • 著者名/発表者名
      槇原弘子, 海賀一早, 浅尾真帆, 赤瀬智子
    • 学会等名
      第93回日本薬理学会年会
  • [学会発表] 肥満者の腹部皮膚組織におけるP-glycoprotein(P-gp)遺伝子発現量の解析2020

    • 著者名/発表者名
      高橋里歩, 槇原弘子, 赤瀬智子
    • 学会等名
      日本薬学会第140年会
  • [学会発表] 大学における薬理学教育の在り方:薬物治療に強い看護師を育てるには2020

    • 著者名/発表者名
      赤瀬智子
    • 学会等名
      第93回日本薬理学会年会
  • [学会発表] 頭頸部癌患者の皮膚障害に対する保湿ケアの検討2019

    • 著者名/発表者名
      (10)安倍早紀, 庄司泰子, 柴田優香, 宇田和代, 福田真佑, 赤瀬智子
    • 学会等名
      第21回神奈川看護学会
  • [学会発表] 軽度な肥満者の皮膚における炎症に関する組織学的検討2019

    • 著者名/発表者名
      堀江良子, 赤瀬智子, 吉田智
    • 学会等名
      第40回日本肥満学会
  • [学会発表] 肥満は皮膚組織におけるTRPV2発現を増加させる2019

    • 著者名/発表者名
      槇原弘子, 堀井麻里子, 赤瀬智子
    • 学会等名
      第42回日本分子生物学会
  • [学会発表] 肥満者の腹部皮下脂肪におけるLEPと表皮におけるTGM1、KRT13、KRT14遺伝子発現量の解析2019

    • 著者名/発表者名
      長尾晏寿美, 槇原弘子, 赤瀬智子
    • 学会等名
      第42回日本分子生物学会

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公開日: 2021-01-27  

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