• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2020 年度 実績報告書

careとcureを融合した看護薬剤学モデルの開発

研究課題

研究課題/領域番号 17H04432
研究機関横浜市立大学

研究代表者

赤瀬 智子  横浜市立大学, 医学部, 教授 (50276630)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2022-03-31
キーワード看護学 / 薬理学
研究実績の概要

患者の薬の適正使用かつ、エビデンスのある与薬方法とその方法論を見出すことを目的としている。全国より研究協力が得られた112店舗の薬局の患者を対象に全身作用型貼付剤の使用の現状と認識について調査を実施している。目標調査数384であるが、現在、172である。そのため、本研究は引き続き継続する。インタビュー調査は、最終的に4名を対象に患者の全身作用型貼付剤の使用の実態と認識について質的に分析した。患者の認識は、[症状に対する薬剤の効果は実感しているものの、全身に作用しているとは認識していない]、[副作用と認識していない症状がある]、[薬剤の効果がわからない場合は貼り忘れても問題意識がない]、使用の実態は、[日常生活に合わせた使用方法の自己調整]をし、[貼付・剥離を忘れないための対処行動]を各々確立し、[副作用を経験したことによる工夫]をし、[貼り誤りがあっても放置している]ことが明らかになった(論文投稿中)。与薬方法のエビデンスの研究は、経皮吸収に影響を与える薬物代謝酵素の要因の検討を行った。ヒト皮膚組織を用い、CYP450(CYP1A2、CYP3A4、CYP3A5)遺伝子発現量を解析し、薬物代謝の影響要因の1つである体格(BMI)との関連を検討した。CYP3A4とBMI及びCYP1A2とCYP3A4は正の相関を示したため、フェンタニルやリドカインは経皮吸収に対して個人間差として影響を受ける可能性が見えた(学会発表、論文投稿予定)。また、最終的に薬の教育に必要な看護薬剤学モデルを開発していくために必要な調査として看護学生や看護師へ必要な薬の知識の調査を実施、国家試験で問われる薬の知識について解析した。看護学生と国家試験では、薬の作用と副作用の基本的な知識が必要な認識であったが、看護師は実践的な与薬時に遭遇する配合変化やルートへの影響などの知識を必要としていた(論文)。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

在宅・施設・病院における患者の薬の適正使用について、全国より研究協力が得られた112店舗の薬局の患者を対象に全身作用型貼付剤の使用の現状と認識について調査を実施している。目標調査数384であるが、コロナ禍において患者へのアンケート調査の依頼が難しい環境となり、現在、172である。アンケートの一部が未記入など欠損もあるため、本研究は引き続き継続とし、関東県内の薬局や薬剤師会へ再度協力依頼をしている。インタビュー調査は、webや電話での対応に切り替え、10名インタビュー、最終的には4名を対象とし、患者の全身作用型貼付剤の使用の実態と認識についてまとめた。患者の認識は、薬の効果は全身に作用している認識はないことや貼り忘れても問題意識がないこと等が明らかとなり、使用の実態は、日常生活に合わせ使用方法を自己調整したり、貼り誤りがあっても放置していること等が明らかになった。本研究は論文投稿中である。与薬方法のエビデンスの研究は、経皮吸収に影響を与える薬物代謝酵素の要因の検討を行った。ヒト皮膚組織を用い、CYP450(CYP1A2、CYP3A4、CYP3A5)遺伝子発現量を解析し、薬物代謝の影響要因の1つである体格(BMI)との関連を検討した。CYP3A4とBMI及びCYP1A2とCYP3A4は正の相関を示したため、フェンタニルやリドカインは経皮吸収に対して個人間差として影響を受ける可能性が見えた。本結果は学会発表、論文投稿予定である。また、最終的に薬の教育に必要な看護薬剤学モデルを開発していくために必要な調査として、学部学生や看護師へ必要な薬の知識の調査を実施、国家試験で求められている薬の知識について解析を行い、論文とした。アンケート調査はコロナ禍で依頼が難しい場合があり継続研究とするが、その他の研究は順調に進展している。

今後の研究の推進方策

在宅・施設・病院における患者の薬の適正使用については、全身作用型貼付剤の使用の現状と認識についてのアンケート調査はコロナ禍ではあるが、関東県内の薬局や薬剤師会へ協力を得、薬局の患者を対象に調査を継続し、本年度でまとめる方向性で進める。エビデンスのある与薬方法とその方法論についてはこれまで実施してきたことを論文化し、学部や大学院の薬理学や研究方法論の教育に活用できるようにまとめる。薬の教育に必要な看護薬剤学モデルを開発していくために必要な調査として、臨床における看護師の必要な薬の知識を今後の適切な与薬を目指して更に詳細に解析し調査をすすめていく予定である。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2021 2020

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 大学における薬理学教育の在り方:薬物療法に強い看護師を育てるには2021

    • 著者名/発表者名
      赤瀬智子
    • 雑誌名

      日本薬理学会誌

      巻: 156 ページ: 103-106

    • 査読あり
  • [雑誌論文] アトピー性皮膚炎患者におけるステロイド外用薬の使用に関する実態と副作用に不安のある患者のアドヒアランスに関する研究2020

    • 著者名/発表者名
      松本裕,杉村篤士,狩野美華,藤波富美子,高橋さなみ,山川有子,廣瀬幸美,相原道子,赤瀬智子
    • 雑誌名

      日本未病学会誌

      巻: 23 ページ: 47-56

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 高齢者に出現しやすい副作用と注意すべき薬剤2020

    • 著者名/発表者名
      赤瀬智子
    • 雑誌名

      コミュニティケア

      巻: 22 ページ: 23-27

  • [学会発表] ヒト皮膚組織におけるP-glycoprotein(P-gp)とTNF-α遺伝子発現量の解析-BMIとの関連に着目して-2021

    • 著者名/発表者名
      高橋里歩, 槇原弘子, 赤瀬智子
    • 学会等名
      日本薬学会第141年会
  • [図書] 看護に役立つくすりの知識2020

    • 著者名/発表者名
      赤瀬智子、佐橋幸子
    • 総ページ数
      239
    • 出版者
      ナツメ社
    • ISBN
      978-4-8163-6866-0

URL: 

公開日: 2021-12-27  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi