研究課題
本年度の研究は、薬局に訪れる在宅にて治療をしている患者を対象とした。具体的には患者が薬を使用するうえで内服と同様の作用を示し、適正使用が可視化しやすい全身作用型貼付剤を使用している方に、薬に対する認識や生活状況(入浴、趣味、嗜好など)の使用の実態(使い方、効果、副作用)について調査を行った。その結果、有効回答者数は20~90歳代、143名であった。本人の薬の効能効果に関する理解度は71%であったが、80歳以上であるとその理解度は低下していた。薬の正しい使用に関しての本人の認識は88%と良好であったが、その良好者において、貼付部位、剥がれた時の対応が誤った認識であったのは、各々30%、48%であった。副作用に関する認識では、誤った認識は44%であった。また在宅に残薬がある対象者が55%いたが、そのうち、必要時友人や家族にあげる、別症状に使用する、多く貼るなど、誤った使用用途があった。在宅患者において、誤った対応や不適切な使用がみうけられたことより、貼付剤の副作用の危険性について、知識不足の可能性が考えられた。医療者が目が届きにくい患者においては、副作用について十分な情報提供や注意喚起が必要と考えられた。一方、看護師の必要な知識と技術を明らかにするために、現場での看護師の薬の問い合わせ内容について調査をおこなった。薬の薬効別内訳においては抗がん薬や抗菌薬、輸液、抗凝固薬の問い合わせが多く、薬の問い合わせ内容については、注射薬の配合変化、ルートへの影響、薬の効能、用法・用量、薬剤の物理学的性状・安定性、粉砕・経管投与の可否と、実際の与薬時に直接的に関わる使用上の注意点に関する事項が多かった。患者本人の理解度と誤った認識事項が示されたことで与薬時の患者への支援内容、看護師の与薬時の必要情報が示されたことで、大学および大学院における看護薬剤学教育の内容が明確化された。
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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