研究課題/領域番号 |
17H04441
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研究機関 | 愛知県立大学 |
研究代表者 |
深田 順子 愛知県立大学, 看護学部, 教授 (60238441)
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研究分担者 |
鎌倉 やよい 日本赤十字豊田看護大学, 看護学部, その他 (00177560)
石光 芙美子 愛知県立大学, 看護学部, 准教授 (00453457)
西岡 裕子 愛知県立大学, 看護学部, 助教 (10405227)
渡邉 直美 愛知県立大学, 看護学部, 助教 (40736782)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 周術期看護 / 高齢者 / 食道がん / サルコペニア / プログラム開発 |
研究実績の概要 |
目的:食道癌で術前補助化学療法(NAC)・手術予定患者に対して、NAC前・後、手術前後に四肢骨格筋量、握力、4m歩行速度、発話機能、QOL等の推移を明らかにした。 方法:InBody770、デジタル握力計、健口くん、EORTC QLQ-C30Jを用いて測定した。統計解析は、フリードマン検定、反復測定による一元配置分散分析、重回帰分析(ステップワイズ)を行った。 結果:2017年12月から2019年12月にNAC・手術予定患者132名のうち52名に対して研究参加の説明を行い、43名に同意を得た。途中辞退5名、治療変更5名から分析対象は33名となった。男性28名、年齢65.2±7.7歳、レジメンはFPが23名、DCFが10名。NAC効果判定は部分奏効が31名。NAC前では、BMIは21.7、平均右握力は33.2kg、平均歩行速度は1.1m/sec、平均skeletal muscle mass index (SMI) は7.0kg/m2、サルコペニアは男女各1名であった。術後SMIはNAC後・術前と比較し有意に低下し、術後歩行速度はNAC前・後、術前と比較して有意に遅くなった。サルコペニアは術後では男性4名,女性1名であった。筋肉量を部位別にみるとNAC前・後、手術前と比較して、術後の体幹と左上肢は有意に増加し、術後の左右下肢は有意に減少した。左右握力は、NAC前と比較してNAC後・手術後に有意に減少し、pa/ta/kaの回数はNAC前・後と比較して、術前・後に有意に減少した。QOLは感情機能のみがNAC前と比較してNAC後に有意に改善された。NAC前SMIは、左握力、BMI、性別、歩行速度、術前SMIは、NAC前SMI、レジメン、術後SMIは術前SMIと各々有意に正の相関があった。術後には下肢筋力や発話回数が低下することから、低下を予防する看護プログラムの必要性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
2019年度は21名に研究参加の説明を行い、18名から同意を得たが、2名がNACの有害事象のために途中辞退、3名が治療方針の変更などがあった。 2017年12月から2019年12月までに合計33名からデータを収集を行うことができたが、化学療法を開始する際に化学療法後に手術療法を行うと決定していない患者がいること、消化器内科、薬物療法科の2つの診療科で化学療法を行うため患者の把握が十分にできにくく、条件を満たす対象者に対して研究参加の説明ができなかった。2020年には新型コロナウイルス感染の影響もありデータ収集が行えなかった。
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今後の研究の推進方策 |
統計解析に必要な46名を得ることができなかったが、得られた33名のデータを分析をするとともに同時進行で、文献検討を含めて周術期看護プログラムの開発・検証を行う。
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