研究課題/領域番号 |
17H04455
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
仲上 豪二朗 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 准教授 (70547827)
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研究分担者 |
真田 弘美 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 教授 (50143920)
峰松 健夫 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 特任准教授 (00398752)
須釜 淳子 金沢大学, 新学術創成研究機構, 教授 (00203307)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | バイオフィルム / 超音波デブリードマン / 可視化 / ポイントオブケア / 褥瘡 / 慢性創傷 |
研究実績の概要 |
褥瘡の感染は死に至ることもあり、最も回避すべき合併症であるが、その病態の本質であるバイオフィルムの検出は組織生検など侵襲的かつ時間のかかる手法に限られていたため、臨床での観察が不可能であった。そこで本研究では非侵襲的、リアルタイムにベッドサイドで実施可能なバイオフィルム検出技術を新たに提案し、次のリサーチクエスチョンに答える。①バイオフィルム検出法の基準関連妥当性はあるのか、②バイオフィルム検出の結果に基づいた創傷ケアバンドルは治癒を促進するのか。これらを明確にすることで、ベッドサイドバイオフィルム検出に基づいた創傷感染予防ケアバンドルを確立する。これは看護学と分子生物学の研究者の共同による異分野融合型看護研究であり、褥瘡感染予防のケアイノベーションの創出に寄与するものである。 平成29年度の研究において、バイオフィルム検出の基準関連妥当性および定量性が確認されたため、平成30年度はこの技術を用いて、慢性創傷を有する患者に対して研究を行った。まず、褥瘡を有する患者を対象に、バイオフィルムを効果的に除去する新しい技術である超音波デブリードマンを実施することで、従来のデブリードマンに比較してバイオフィルム除去能が高いかどうかを検証した。さらに、在宅で創傷の訪問診療を受ける慢性創傷保有患者に対して、バイオフィルム検出結果に基づいて超音波デブリードマンを施行する群と、標準ケア施行群を比較することで、バイオフィルム検出に基づいた創傷ケアバンドルの有効性を評価した。その結果、超音波デブリードマンはバイオフィルム除去能がジュライのデブリードマンよりも高いこと、またバイオフィルム検出結果に基づいて超音波デブリードマンを施行する創傷ケアバンドルにより、慢性創傷の創傷治癒が有意に促進されることが明らかになった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成29年度に確立したバイオフィルム検出技術を用いて、臨床での有効性について検証を進めている。バイオフィルムを可視化、定量化することで、臨床で実施可能な創傷ケア技術を評価することが可能となり、これまでブラインドで行ってきたバイオフィルム除去を正確に行えるようになった。このことにより、バイオフィルム検出結果に基づいて超音波デブリードマンを施行するという新しいケア技術を提案することができ、そのバイオフィルム除去能並びに創傷治癒促進効果を検証することが可能となったため、おおむね順調に経過していると評価した。
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今後の研究の推進方策 |
これまでの研究は観察研究によるバイオフィルム検出結果に基づく創傷ケアの評価であったため、平成31年度は介入研究を実施してバイオフィルムの可視化技術が創傷治癒促進に与える影響を検証する。
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