研究課題/領域番号 |
17H04461
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
眞茅 みゆき 北里大学, 看護学部, 教授 (60415552)
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研究分担者 |
大津 美香 弘前大学, 保健学研究科, 准教授 (10382384)
小山 幸代 北里大学, 看護学部, 教授 (70153690)
森谷 栄子 北里大学, 看護学部, 講師 (70348598)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 心不全 / 在宅療養支援 / 家族介護者 |
研究実績の概要 |
本年度は、高齢心不全患者および家族介護者が在宅療養で必要する支援を、「医療的支援」「生活支援」の観点から明らかにすることを目的に、多施設前向き観察研究およびインタビュー調査を実施した。多施設前向き観察研究では、高齢心不全患者ならびにその家族介護者を対象に、心不全患者に対しては、社会人口統計学的特徴、心不全の重症度(BNP、左室駆出率)、治療内容、日常生活動作、認知機能、ヘルスリテラシー、精神症状、セルフケア行動および1年後の心血管イベントの発生を調査し、家族介護者に対しては、社会人口統計学的特徴、、健康状態、介護時間、介護負担、患者との関係性、治療中の疾病の有無、精神症状を調査した。その結果、心不全患者の家族介護者の介護内容として、医療的支援と比較し生活支援の頻度が高かったが、医療的支援のうち「患者の療養行動に対する動機づけ」に対する家族介護者の介護負担が大きいことが示された。在宅療養生活の継続を目指した、患者、家族への教育、紫煙内容として、療養上必要な健康行動や生活習慣のみならず、家族介護者にとって負担の少ない支援方法の提供が課題である。さらに、介護負担の程度は患者の身体活動度や精神状態と関連するとともに、患者、家族介護者双方のヘルスリテラシーが関連していることも明らかとなり、患者、家族のヘルスリテラシーに配慮した教育、支援方法の確立が求められる。インタビュー調査では、患者の療養行動に対する支援において、家族介護者が困難に感じる場面やその際の対処方法などに関する半構造化面接を実施し、データを分析中である。前述した前向き観察研究ならびにインタビュー調査に加え、在宅療養を開始した高齢心不全患者の在宅療養中断の要因分析を実施するための後方視的観察研究の準備に着手している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初年度に予定していた、高齢心不全患者とその介護者に対する調査研究および半構造化面接を実施した。次年度の実施計画にある、在宅療養を開始した高齢心不全患者の在宅療養の中断理由の要因分析についても、データ収集に向けた準備を進めており、順調に進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
2年目にあたる次年度は、在宅療養の中断理由の要因分析を実施するとともに、後半には、初年度および2年目前半の研究結果に基づき、高齢心不全患者の在宅療養支援プログラムの構築に着手する。
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