研究課題/領域番号 |
17H04464
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
石丸 美奈 (坪内美奈) 千葉大学, 大学院看護学研究科, 准教授 (70326114)
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研究分担者 |
石橋 みゆき 千葉大学, 大学院看護学研究科, 准教授 (40375853)
宮崎 美砂子 千葉大学, 大学院看護学研究科, 教授 (80239392)
諏訪 さゆり 千葉大学, 大学院看護学研究科, 教授 (30262182)
辻村 真由子 千葉大学, 看護学研究科, 准教授 (30514252)
鈴木 悟子 千葉大学, 大学院看護学研究科, 助教 (10780512)
飯野 理恵 千葉大学, 大学院看護学研究科, 講師 (40513958)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 地域包括ケア / シナリオ学習教材 / 看護実践能力 / 住民との協働 |
研究実績の概要 |
①地域包括ケアシステムの構築の中でも、社会資源の活用と創出に焦点をあて、在宅看護学、公衆衛生看護学、社会福祉学の教科書において、社会資源の活用と創出がどのように記述されているかを比較し、より効果的な教授内容を検討した。方法として、看護学、社会福祉学の学士課程のある複数の大学のシラバスと、所属大学図書館蔵書検索システムにより、各分野から教科書計12冊を選定した。分析枠組みは、「看護学教育モデル・コア・カリキュラム」等を基に作成し、各分析項目について、記載内容を3段階で評価した。その結果、在宅看護学では、社会資源の活用、および社会資源を有効に活用するための関係機関等との連携・協働、不足する社会資源の提案の記載内容だった。公衆衛生看護学、社会福祉学では、新たな社会資源の創出に向けた取り組みが示されているが、社会資源の継続に関する具体的記載は少なく、持続可能性を考慮した取り組み内容の明確化が課題であると考えられた。社会福祉学では、ソーシャルベンチャー(社会起業家)の視点を考慮する必要性の記述がみられ、多様な場に活動が広がる看護職にとっても、参考にできる視点と考えた。 ②家族介護経験者が、社会資源の活用や創出に至った経験に関する質的記述的研究により、専門職に必要な看護実践能力を見出し、シナリオ学習の学習課題を導くことを目的にした。社会資源の活用や創出に携わった介護経験者5名を対象に、半構成面接を行い、基本属性と社会資源活用・立ち上げのきっかけ、経緯、社会資源が必要だと強く思った経験およびその対処と思いについて、聴取した。分析結果の結果から、社会資源の活用・創出に必要な看護実践能力毎の学習課題を導いた。 ③治療的ケアも活動に含まれるアイルランド共和国の保健師3名等に対し、半構成面接調査を行い、部門や施設の枠を超えた連携と社会資源活用における役割と求められる能力について明らかにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
地域包括ケアに関する実践能力及び学習課題について、専門家会議の実施ができず、繰り越しになったため。
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今後の研究の推進方策 |
①地域包括ケアに必要な看護実践能力と実践能力別学習課題についての専門家会議-専門家会議は、社会資源の立ち上げ支援などの経験が有る地域包括支援センターや訪問看護ステーション、多機能型施設等の看護師・保健師、5-6名を対象とする。前年度に整理した、社会資源の活用・開発に必要な看護実践能力の内容妥当性を確認し、学習課題についても意見をもらう。 ②地域包括ケアの学習到達目標に関する専門家会議-専門家会議の実施により学習到達目標マトリックスの修正、運用方法を明確にする。対象者は、本研究の共同・連携研究者及び、県内の公衆衛生看護学、在宅看護学に携わる教員10名程度である。作成したマトリックスについて、地域包括ケアに関する実践能力を高める学習目標として妥当かどうか(何をどこまで学ばせるか)意見を聴取する。 ③学習素材となるシナリオの作成-前年度に実施した介護経験者の困りごとや社会資源の創出方法を参考に、シナリオテーマ案をあげ、シチュエーション・ベースド・トレーニングのシナリオ作成をする。まずは、シナリオの基本構想を立案する。そして、シナリオのテーマごとに、学習目的、学習目標、学習内容、場面と状況設定等を明確にする。これらを通して、住民の言動や思い、地域での状況が再現されるようにシナリオをデザインする。 ④シナリオ学習教材の作成-シナリオアウトラインに基づいて、映像製作会社に映像製作について依頼をする。 これらのシナリオ開発のプロセスについて得られた結果を取りまとめ、学会発表を国内外で行う。
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