1大学病院受診中の外来患者610名に対し、在宅療養支援のニーズに関する調査を行った。462名から回答を得て、在宅療養への困難感を約3割の患者が感じていることを明らかにした。在宅療養への困難感の有無には、症状、認知機能や日常生活自立度に加えてソーシャルサポートが関連していた。外来患者のソーシャルサポートを支援することは、外来での重要な在宅療養支援の一つであることが示唆された。さらに、担当する外来看護師16名に対し、当該患者の在宅療養ニーズについての判断を尋ねたところ、214名の患者について在宅療養支援の必要性があるとの回答が得られ、看護師のほうがニーズに対して多く評価していることが分かった。一方、看護師の判断する在宅療養支援の必要性の有無に関連していたのは認知機能や日常生活自立度であり、ソーシャルサポートには差がなかったことから、患者の認識との間に差がある可能性が示唆された。 このほか、外来看護師の在宅療養支援の実践に関する調査なども実施した。また、日本地域看護学会においてワークショップを行い、本研究の知見を共有するとともに、他の先進事例に関する知見を収集し、今後の研究に向けた示唆を得た。
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