研究課題
申請代表者小林は第54次南極地域観測隊に参加し、係留気球を用いた大気バイオエアロゾル(大気浮遊生物粒子)の直接採集・生物分析を行った。現在、研究成果をまとめているが、国際学会や学術論文などでその一部を発表し、高い評価を得ている。アイスコア微生物の沈着メカニズムを解明するためには、南極自由対流圏の大気バイオエアロゾルに関する調査が重要かつ不可欠であるが、現在まで全く実施されていない。分担者東野は、第54次南極観測隊において無人航空機を用いた高高度エアロゾル(大気浮遊粒子)調査を成功させた。この無人航空機をバイオエアロゾル用に改良し、南極自由対流圏バイオエアロゾル調査を実施する。本研究代表者が、第60次日本南極地域観測隊夏隊員として、2018年11月から2019年3月まで南極地域観測に参加・実施した。南極氷床S17ポイントにおいて、新たに改良した無人機を用いて南極大陸上標高約1,000 mの大気バイオエアロゾルを採取した。さらに、南極観測船(砕氷艦)しらせ船上(往路・復路)、南極大陸氷床上S17、昭和基地、アデリーペンギンのルッカリーがあるラングホブデ袋浦にて大気バイオエアロゾルの地上採集を実施した。2019年度は、上記サンプルの次世代シークエンサーを用いたメタゲノム分析を行った。また、上記観測地点の微生物センサを用いた大気微生物濃度測定のデータ抽出し、分析した。また、南極氷床や土壌のメタゲノム分析を実施した。上記の生物学的データと後方流跡線・前方流跡線解析、風速、風向、などの気象データを比較検討し、大気バイオエアロゾル解析を実施した。本研究のアウトプットは、アイスコア微生物の沈着メカニズムを解明するばかりでなく、半球規模の微生物大陸間長距離輸送、極限微生物研究や南極生態系への大気の影響、先進的な南極観測や地球規模での微生物生態学、さらには「空の生態系解明」まで及ぶ。
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2020 2019
すべて 雑誌論文 (12件) (うち国際共著 4件、 査読あり 12件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (15件) (うち国際学会 7件、 招待講演 3件) 図書 (1件)
エアロゾル研究
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