研究課題/領域番号 |
17H04475
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研究機関 | 茨城県霞ケ浦環境科学センター(湖沼環境研究室、大気・化学物質研究室) |
研究代表者 |
福島 武彦 茨城県霞ケ浦環境科学センター(湖沼環境研究室、大気・化学物質研究室), 湖沼環境研究室, センター長 (90124354)
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研究分担者 |
松下 文経 筑波大学, 生命環境系, 准教授 (80361319)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 湖沼 / インドネシア / 無酸素層 / 水質鉛直分布 / リモートセンシング |
研究実績の概要 |
台風による飛行機の運航中止や新型コロナ感染症による海外渡航禁止のため、海外調査を断念した。このため、インドネシアの研究協力機関の研究者と協議し、下記の研究を実施した。1)インドネシア側から提供されたLake Maninjauの水質鉛直分布測定結果を解析し、その地点変化、日周変化、季節変化を明らかにした。溶存酸素がゼロとなる水深が低下する現象を見つけるとともに、その時、水温、電気伝導度が湖底まで混ざることを確認した。すなわち、低気温時に自然対流が発生したことを明らかにした。また、そのような低気温がどの程度の頻度で発生するかを、近接する気象観測地点の気温長期データや衛星画像による湖面表層水温推定結果などをもとに解析した。2) Lake Tobaでの水質鉛直分布の測定結果を解析することから、北部水域と南部水域では溶存酸素の鉛直分布がかなり異なること、また水域間に水流動がある可能性を示した。3) インドネシア9湖沼での実測データをもとに、Landsat衛星画像から透明度を推定する手法を開発した。その手法をLake Maninjauを対象に1988-2018年間のLandsat衛星画像に適用し、透明度の長期変化を明らかにするとともに、その変化の原因を考察した。4)インドネシア湖沼ではトリプトンによる濁度の影響が大きな湖沼が存在する。このため、同様にトリプトンの影響が大きい霞ケ浦を対象に、その長期変動と原因を解析した。また、底層DOの変動特性と要因を明らかにした。 なお、繰越した補助金を使用して、2021年に研究協力機関の研究者がスマトラ島の湖沼調査を実施した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
海外調査を実施できない状況であるものの、インドネシア側から提供された水質データを解析することで、インドネシア湖沼での無酸素層の動態に関する知見を整理し、論文化することができた。また、衛星画像データを解析することで、インドネシアなど水質計測の実施が困難な湖沼を対象に、長期的な水質変化を推定しうることを示した。
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今後の研究の推進方策 |
現地調査の可能性をインドネシア側と協議するとともに、提供されたデータの解析を進め、さらにリモートセンシング手法の活用結果をあわせて、今後の熱帯湖沼管理のあり方を考える。
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