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2017 年度 実績報告書

中東・アフリカ・南米の水質汚染解析による都市排水ユニバーサルマーカーの開発

研究課題

研究課題/領域番号 17H04476
研究機関東京農工大学

研究代表者

高田 秀重  東京農工大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (70187970)

研究分担者 O.A Siaw  東京農工大学, (連合)農学研究科(研究院), その他 (10293549)
渡邉 泉  東京農工大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (30302912)
水川 薫子  東京農工大学, (連合)農学研究科(研究院), 助教 (50636868)
多羅尾 光徳  東京農工大学, (連合)農学研究科(研究院), 准教授 (60282802)
熊田 英峰  東京薬科大学, 生命科学部, 講師 (60318194)
鈴木 聡  愛媛大学, 沿岸環境科学研究センター, 教授 (90196816)
研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2022-03-31
キーワード分子マーカー / 合成甘味料 / 抗生物質 / アジア / アフリカ / 微生物マーカー / 大腸菌
研究実績の概要

2017年度はインド、ベトナム、台湾、ガーナで調査を行った。
ベトナム・カントー市内および周辺の河川・運河では抗生物質も合成甘味料も都市域で高く, 郊外で低くなった。また, 検出頻度の高いAcesulfame (ACE) とSulfamethoxazole (SMX) の濃度間で正の相関がみられ、抗生物質と合成甘味料の下水マーカーとしての有用性が確認された。ヒトふん便に特異的に見いだされる細菌Bacteroides doreiの16S rRNA遺伝子数は、カントー市内の試料水では大腸菌密度との間に強い相関が認められたことから,ヒトのふん便による汚染が強く示唆された。いっぽう,農村部の試料水では大腸菌密度が比較的高密度である場合であってもB.doreiの数は低かったことから,ヒト以外の家畜・野生動物によるふん便汚染が示唆された。これは、郊外の地点でSulfamethazine (SMT) など家畜に投与される抗生物質が多く検出され畜産由来の寄与が示唆されたことと整合性があった。同様のSMTやテトラサイクリン類 (TC) が卓越する組成は他の郊外地点や台湾の地点でも観測され, 抗生物質は人だけでなく畜産由来の汚染も把握できるマーカーであるが, 生活排水汚染のみの反映は難しいことが明らかとなった。
一方で家庭排水からのみ排出される合成甘味料は人由来の汚染を見ることができるマーカーと考えられる。しかし, 合成甘味料の組成は国により異なることが明らかにされた。インドでは比較的安価なSaccharin (SAC) の検出頻度が高く, ACEよりSACのほうがSMXとの濃度間の相関が強かった。下水のマーカーとしては, 複数の合成甘味料とB.doreiの16S rRNA遺伝子数等を測定し, その信頼度を高め, かつ畜産排水の寄与も評価するために抗生物質も併用することが有効だと考えられる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

インド、ベトナム、台湾、ガーナの4ヵ国で調査ができた。国数としては当初の計画より多かった。ベトナムで研究的に適切な汚染グラジエントの試料が採取できた。さらに家畜排水のマーカーを考察できる試料も採取できた。研究代表者と分担者が同行することにより、化学マーカーと微生物マーカーの比較を行うことができた。台湾では、都市域の試料の欠落、インドでは微生物マーカーの測定が行えなかった、等の反省材料もあり、総合するとおおむね順調と考えられる。

今後の研究の推進方策

これまで下水マーカーの調査適用例のない地域へ調査に行く。調査は複数の分担者と代表者が同行し、複数のマーカー間の比較ができるようにする。化学マーカーについては水溶性マーカーに加えて、ステロール、アルキルベンゼン等の疎水性(懸濁粒子吸着性)マーカーも測定し、総合的にマーカー間での比較を行い、ユニバーサルマーカーの開発に迫る。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2018 2017

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] 下水の化学マーカーを用いた東京湾沿岸域における雨天時越流水の影響評価2018

    • 著者名/発表者名
      遠藤果怜、高田秀重、古米弘明、Poopipattana Chomphunut、中島美咲
    • 学会等名
      第52回日本水環境学会年会
  • [学会発表] フェノール系内分泌撹乱物質の直接誘導体 化分析法の検討と東京都内河川における汚 染状況の把握2017

    • 著者名/発表者名
      五味茉尋,高田秀重,水川薫子
    • 学会等名
      第26回環境化学討論会

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公開日: 2018-12-17  

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