研究課題
2019年9月21日から9月27日の行程で,第3回現地調査を以下の通り実施した.今回は対象海域である半閉鎖性内湾のTotok湾において前回調査と同じ5地点,一方開放性内湾のBuyat湾においては前回から点数を減らし2地点として,表層水(海面下6m)と底層水(海底上1~2m)からニスキン採水器により1Lの海水サンプリングを実施した.よって,計14サンプルの採水を行った.また,採水と同時に持参した多項目水質計により塩分・水温・溶存酸素濃度などの鉛直分布測定を実施した.観測地点には持参したハンディGPSであらかじめ設定した座標位置へ誘導した.観測地点の水深は持参した超音波式測深機で測定した.採水サンプルは,観測終了後直ちに0.4μmのガラスファイバーフィルターを用いて濾過を行い,その後高濃度の硫酸(H2SO4)を3mL添加して常温で日本へ持ち帰った.濾紙についても参考試料として持ち帰った.使用した容器は酸処理したガラス製容器である.帰国後,海水中の総水銀濃度とメチル水銀濃度の測定を行った.得られた結果としては,Totok湾において総水銀濃度が0.23-0.87ng/L,メチル水銀濃度が0.15ng/L以下,一方,Buyat湾では総水銀0.19-0.52ng/L,メチル水銀濃度が0.07ng/L以下となっており,閉鎖性の強いTotok湾で高濃度であった.加えて,2020年3月に最終調査を行う計画であったが,コロナ禍の影響で渡航ができなかった.翌年度に繰り越して再度計画したが,2020年度も同様に渡航ができず期間を終了した.そのため,底泥の巻き上げパラメータの現地測定のための装置開発を国内で行い,水俣湾で実証試験を行い,想定通りに測定できることを確認した.測定されたパラメータにより数値モデルの精度が向上すると期待される.
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2020 2019 その他
すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (2件)
土木学会論文集B3(海洋開発)
巻: 76(2) ページ: I_798-I_803
10.2208/jscejoe.76.2_I_798
Marine Pollution Bulletin
巻: 149 ページ: 110539
10.1016/j.marpolbul.2019.110539