研究課題/領域番号 |
17H04489
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研究機関 | 岡山理科大学 |
研究代表者 |
森川 茂 岡山理科大学, 獣医学部, 教授 (00167686)
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研究分担者 |
奥谷 晶子 国立感染症研究所, 獣医科学部, 主任研究官 (60392320)
加来 義浩 国立感染症研究所, 獣医科学部, 主任研究官 (70392321)
大崎 慎人 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 動物衛生研究部門, ユニット長 (80355164)
前田 健 山口大学, 共同獣医学部, 教授 (90284273)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | ブータン / ワンヘルス / 動物由来感染症 |
研究実績の概要 |
ブータンは地理的にはインド・中国両大国の辺縁部、すなわち感染症監視体制が脆弱な地域に挟まれていることから、双方から把握されていない感染症が侵入しやすい。本課題では日本・ブータンの公衆衛生・動物衛生領域が連携し、近年の社会学的な変容を視野に入れたワンヘルス/エコヘルスアプローチにより、急激な環境変化がもたらす各種ズーノーシスの発生リスクを明らかにして「感染症リスク低減に直結する環境政策」研究モデルの確立を目指すことを目的とする。 研究組織は、5グループ(=5テーマ:①ブルセラ病、②クリミアコンゴ出血熱 [CCHF]、③狂犬病、④コウモリ由来感染症、⑤炭疽)から構成される。 平成30年度は、ブータンへ①ブルセラ病、③狂犬病、⑤炭疽担当の分担研究者が渡航し、ブータン側研究協力者(National Centre for Animal Health, Royal Centre for Disease Control)と協議し、以下の研究を実施した。 ①ブルセラ病については、「乳牛ブルセラ病発生農場におけるリスク要因の解析」を目的として、海外からのブルセラ菌侵入リスクが高いと考えられる農場の視察およびリスク解析を行った。③狂犬病については、「狂犬病ワクチン接種犬の抗体保有状況調査」を行うための実験技術の研修を行った。⑤炭疽については、家畜の炭疽患畜埋却地点からの検体採取に必要な技術研修を行った。 次年度以降の準備として、②CCHFについては、家畜の抗体保有状況調査に必要な動物血清の選定を、また、④コウモリ由来感染症については来年度の現地調査候補地の選定のための情報収集をそれぞれ行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
平成30年7月、ブータン国での現地フィールド調査において予定していたブータン国立研究機関に属する現地協力者の協力と研究代表者等の現地への渡航許可が、同年10月のブータン国における国会議員選挙の準備期間による影響で得られないことが判明した。 本研究遂行上、現地調査で現地村落の協力を得るために当該協力者の参画は不可欠であるため、再度日程調整を行い、同年11月および12月、2019年4月に延期して実施することになった。
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今後の研究の推進方策 |
今後の予定としては、ブータン側研究協力者(National Centre for Animal Health [NCAH], Royal Centre for Disease Control [RCDC])と協議し、②CCHF、③狂犬病、④コウモリ由来感染症、⑤炭疽の分担研究者・連携研究者が現地へ渡航する。 ②CCHFおよび、③狂犬病については、過去の発生事例等から、本病の侵入リスクが高いと考えられる地域を選定し対象動物からの検体採取を開始する。④コウモリ由来感染症については予定している現地調査を行う。⑤炭疽については「炭疽発生農場における検体採取法」についてのSOPを作成し、土壌検体から菌を分離するまでの技術研修を行う。
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