研究課題/領域番号 |
17H04490
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研究機関 | 神戸女学院大学 |
研究代表者 |
三宅 志穂 神戸女学院大学, 人間科学部, 教授 (80432813)
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研究分担者 |
山下 修一 千葉大学, 教育学部, 教授 (10272296)
藤井 浩樹 岡山大学, 教育学研究科, 教授 (30274038)
大貫 麻美 白百合女子大学, 人間総合学部, 准教授 (40531166)
高岡 素子 神戸女学院大学, 人間科学部, 教授 (60310463)
出口 明子 宇都宮大学, 教育学部, 准教授 (70515981)
三好 美織 広島大学, 教育学研究科, 准教授 (80423482)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 動物園 / 自然系博物館 / 生物多様性教育 / 展示 |
研究実績の概要 |
6名の分担者とともに,国内外の動物園における展示と教育の事例について調査した。国内の事例調査では,安佐動物園(広島),王子動物園(兵庫),とべ動物園(愛媛)において行った。海外調査では,ベルリン動物園(ドイツ),ライプチヒ動物園(ドイツ),パリ動物園(フランス),チューリッヒ動物園(スイス),スミソニアン動物園(アメリカ),スカンセン(スウェーデン),タロンガ動物園(オーストラリア)において行った。初年度の調査ではまだ詳細がつかめていない点も多いが,これまでに以下のようなことを生物多様性保全との関連性において見いだすことができた。 1.「ドイツ調査」;2種のカバの比較展示など、種の多様性に気付かせる展示が多い。ライプチヒ動物園は持続可能な開発を新方針にして、生態系の多様性(アフリカ、南米、アジアの生態系の一部を示す大温室)、種の生物多様性(類人猿館)を理解させる展示に力を入れている。また、動物の習性がわかる展示に特長がある。外来生物の移入問題はイシューであるようだが、展示への反映はこれからである。 2.「パリ,スイス調査」;飼育頭数が日本のものより多い,ファミリーやグループで飼育展示されている。これは,種の保護や保存の観点につながると示唆される。展示手法については,動物が間近に感じられる配置になっており,自然環境の再現の中に来園者が入り込む設計になっている。施設は寄付で作られている部分も多い。 3.「アメリカ,スウェーデン,オーストラリア調査」;来園者向けの飼育員によるレクチャー,ボランティアによるガイド,パネルによる生態系・生物多様性の解説などが充実している様子が見られた。絶滅危惧レベル,密漁,森林破壊,生息地における人との軋轢問題などの事例が,動物の解説パネルに記載されていた。 なお,カナダUBCにおける2018年度の調査にむけて,本年度は現地担当者らとの合意を果たした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
代表者,分担者の調査がすべて順調に進んでいること。初年度の成果もいくつかの学術論文や報告としてなされていることから,おおむね順調に進展しているといえる。
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今後の研究の推進方策 |
初年度に引き続き,代表者,分担者がそれぞれの調査を遂行する。初年度に訪問できなかった動物園。自然系博物館への調査を行う。初年度の成果を科学教育学会年会において,課題研究として報告し,プロジェクトチーム内だけでなく,広い視野で専門家とのディスカッションを試みる。
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