研究課題/領域番号 |
17H04502
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
寺山 恭輔 東北大学, 東北アジア研究センター, 教授 (00284563)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | スターリニズム / 満洲国 / 政治局 / 対日政策 / ソ連極東 |
研究実績の概要 |
前年度の1920年代に引き続き、ソ連共産党中央委員会政治局による諸決定のうち、1930年代の極東政策に関する決定を網羅的に明らかにすることができた。前年度での予備調査を踏まえ、8月にハバロフスク、ウラジオストックでの史料収集を計画した。ところが前半のハバロフスク史料館における史料収集は、史料館と移民局の嫌がらせによって支障を来した。そのためハバロフスク州公共図書館による文献調査と写真撮影に切り替え、大量の文献撮影に従事することになった。ウラジオストックではそのような妨害に会うこともなく、無事に史料を収集できた。2019年2月にはモスクワでの史料収集を行うことができた。著作にまとめる予備作業として、2019年度中に刊行予定の論文集の中で、スターリンの右腕となって極東政策で中心的役割を果たしたガマルニクの活動、彼とスターリンとの関係に焦点を絞った論文をまとめた。個別的なテーマ(鉄道や国境問題等)ではなく、総合的な活動を把握する観点からもガマルニクの果たした役割を評価できるものと考えている。 モスクワ滞在中の2019年2月、20年以上刊行が待たれた戦間期のソ連極東史がロシア科学アカデミーから刊行されたと聞いて本書を受領、書評を刊行する準備を進めているところである。この著作により現時点でのロシアの歴史家たちによる戦間期極東史に対するおおよその評価、関連した様々な文献についての追加情報を得ることができた。筆者による研究の総括にも役立つと考えている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
概ね順調に研究を進めてきたが、史料収集が一時できない状態に追い込まれたため。
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今後の研究の推進方策 |
ソ連共産党中央委員会政治局の極東に関する決定は1930年代末までの史料収集はすでに終えた。史料館における史料収集について、モスクワおよび極東の公文書館訪問の日程を調整し、史料収集作業を進めたい。
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