研究課題/領域番号 |
17H04512
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
山崎 眞次 早稲田大学, 政治経済学術院, 教授 (70200657)
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研究分担者 |
吉野 孝 早稲田大学, 政治経済学術院, 教授 (00158487)
前嶋 和弘 上智大学, 総合グローバル学部, 教授 (10350729)
渡辺 暁 山梨大学, 大学院総合研究部, 准教授 (20635338)
高橋 百合子 早稲田大学, 政治経済学術院, 准教授 (30432553)
鷲津 明由 早稲田大学, 社会科学総合学術院, 教授 (60222874)
安井 清峰 早稲田大学, 地域・地域間研究機構, 研究助手 (60756302)
弦間 正彦 早稲田大学, 社会科学総合学術院, 教授 (90231729)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | メキシコ移民 / 集団的送金システム / トランスナショナルナルコミュニティ / 米国の移民政策 |
研究実績の概要 |
第1-1チーム(山崎・渡辺):山崎はオアハカ州のサン・ミゲル・エル・グランデ村で移民アンケート調査を実施し、24名の帰還移民から回答を得、カリフォルニア州、オレゴン州、ノースカロライナ州からの集団送金が行われ、利他的「3x1プログラム」がオアハカ州で最も実施されている状況を把握した。渡辺はユカタン州のマヤ先住民とカリフォルニア州サンフランシスコ郊外に創設された移民コミュニティ間のトランスナショナルナル的ネットワークの存在について調査し、両者の精神的つながりを証明した。 第1-2チーム(山崎・高橋):山崎はメキシコ市の社会発展本省とオアハカ州支部を訪れ、それぞれの「3x1プログラム」の責任者と面談し、メキシコ政府の本プログラムに関する基本的具体的な政策を確認し、調査への協力を取り付け、資料の提供を受けた。その資料に基づきオアハカ州で実りある移民調査を実施できた。高橋は移民と民主主義の関係について文献調査を行い、その成果を論文として発表した。 第2チーム(吉野・前島・安井):吉野はトランプ政権の移民政策を調査し、学会で発表するとともに、その成果を論文にまとめた。前島は「不法入国した若者の救済制度「DACA」撤廃:アメリカン「ドリーム」の行方」等の移民制度に関する調査を行い、主にマスメディアで持論を展開した。 第3チーム(弦間・鷲津):鷲津は家計収入に関するミクロ分析から消費行動を調査し、移民の家計収入の分析を試みた。2018年度の研究目的は当初の目標どおりほぼ達成されたといえる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
アメリカ合衆国に存在するメキシコ人の移民共同体MexAmericaについて、初年度はメキシコの移民送り出し自治体とカリフォルニア州のメキシコ人の移民コミュニティ間のトランスナショナルナル的関係を調査した。メキシコ側と米国側の双方向的調査によって、少なくともカリフォルニア州にはヒスパニック的文化的自治体が存在することが確認された。この双方向的関係は移民の集団的送金システムによって経済的に維持されていることが明らかになった。また米国に存在する移民コミュニティ構成員はメキシコの大統領・知事選に対して投票権を持ち、メキシコ政府は政治的にも米国の移民政策に影響を与え得ることが明確となった。
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今後の研究の推進方策 |
今年度は、継続して文化的。政治的要因を調査・分析するが、さらに移民の労働と収入が米国経済にどのような影響を与えているのかマクロ・ミクロの観点から調査・分析する。
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