研究課題/領域番号 |
17H04514
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 海外学術 |
研究分野 |
地域研究
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研究機関 | 上智大学 (2019) 大阪経済法科大学 (2017-2018) |
研究代表者 |
権 香淑 上智大学, 総合グローバル学部, 助教 (00626484)
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研究分担者 |
趙 貴花 名古屋商科大学, 商学部, 講師 (00624850)
宮島 美花 香川大学, 経済学部, 教授 (70329051)
鄭 亨奎 日本大学, 経済学部, 教授 (80253045)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 元日本留学生 / 中国朝鮮族 / 移動 / トランスナショナル / 越境的な社会空間 |
研究成果の概要 |
本研究は、中国朝鮮族社会の形成における日本の影響の一側面を捉えるべく、朝鮮族の「元日本留学生」をキーワードに据え、東アジアにおける朝鮮族の「越境的な社会空間」を実態的に解明することを目的とした。とりわけ、朝鮮族の来日とコミュニティ形成の推移にもとづき、その歴史と生活戦略を調査分析した。その結果、中国の国費留学生派遣制度による一定数の朝鮮族大学教員と大学院生の来日が、日本の朝鮮族社会形成における端緒となったことが明らかになったほか、独自のエスニック・ネットワークを背景に、東アジアにおけるトランスナショナルなコミュニティの内実が実証的に把握された。
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自由記述の分野 |
地域研究
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の意義は、次の二点に収斂される。第一に、世界のグローバル化に対応する形で強化されつつある各国の移民政策、とりわけ1990年末以降に顕在化した選別的な移民政策が東アジア諸国においても顕著であることから、移動性が高いエスニック集団として知られる朝鮮族(元日本留学生)の動向から、そのダイナミズムを把握しうる。第二に、朝鮮族の歴史や現状においては意識的に忌避されるか、自明なものとして看過されがちであった日本の影響に関する展望を得ることにより、近年、齟齬や軋轢が顕著な東アジア諸国間において、望ましい共生を模索するうえでの一助になるのみならず、東アジアにおける日本の立ち位置を捉え直す契機になる。
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