研究課題
本研究は、インドから海洋交易路を経由し中国から日本に伝播した密教系仏教の性格や流伝形態を考察することを目的とし、主としてインドネシア諸島における現地調査を中心に進めた。研究手法として、現地での密教遺品の収集を実施し、遺品の主要部分を占める金属製遺品の蛍光エックス線による成分分析を実施した。また、インドネシアの旧宗主国であったオランダの各施設の研究機関においても現地調査を実施し、インドネシア出土品として考察対象に加えた。考察の結果、インドネシア諸島には密教系仏教、特に瑜伽部から初期無上瑜伽部のの遺品が多数現存していることが判明した。これらの遺品の多くは、仏教発祥の地であるインド本国にも見られないものが多数含まれている。本年度は、最終年度として昨年度実施予定であったインドネシアにおける研究協力者と国内研究分担者との『研究報告書』の出版に向けた打ち合わせと、一部現地資料の調査を予定していたが、昨年同様コロナウィルス感染症の影響で国内外ともZOOMによる研究成果の打ち合わせに変更し実施した。その中で、現地より出土した密教系仏教に関する仏像や金剛鈴、また奉献プレートやバリ島を中心に保存されている文献資料に関して意見交換を実施した。それらの研究成果として、3月末日には、インドネシア側の研究論文2編(英文)と日本側の研究論文6編(日本文、および英文)と、海外現地調査で収集した写真資料を付した『研究報告書』を発刊した。
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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密教文化
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日本仏教学会年報
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