研究課題/領域番号 |
17H04524
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研究機関 | 大分大学 |
研究代表者 |
包 聯群 大分大学, 経済学部, 教授 (40455861)
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研究分担者 |
原 聖 女子美術大学, 芸術学部, 教授(移行) (20180995)
児倉 徳和 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 准教授 (70597757)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 満洲語 / 言語継承 / 言語政策 / 言語保護 / 危機言語 / 言語復興 / 満洲語教育 / 三家子満族村 |
研究実績の概要 |
(1)2018年4月以後、地元関係者に連絡を取り、三家子村の小学校の満洲語教育状況及び社会人の満洲語学習の動向を把握した。 (2)社会人用『簡易満洲語会話テキスト』の修正を行い、編集しはじめた。 (3)2018年6月に、海外学術調査フォーラム(東京外国語大学 アジア・アフリカ言語文化研究所)にて、吉林省の伊通満族自治県の「満洲語教育と言語文化継承の実態」について発表を行った。 (4)8月下旬に現地調査を行い、社会人の満洲語学習の集会に参加し、満洲語継承の実態を確認した。そして、物語の録音も行った。11月ごろに関係者に連絡をし、三家子村の村民による自発的な社会ネットワークの形成状況を確認した。9月11日、12日に大分で開催された「第七回 日中国際ワークショップ」(科研基盤B、Cによる主催)にて満洲語やダグル語を事例として、中国東北地域における少数言語の保護と継承の現状について口頭発表を行った。 (5)2019年3月下旬に、三家子村に行き、言語文化継承活動の実施状況を観察し、満洲語ネットワークの形成情況を確認した。さらに満洲語話者二人に言語と文化、歴史に関係する物語を語ってもらい、録音と録画をした。今後、満洲語テキストの編集及び満洲語のデータをさらに詳細に整理していく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
概ね予定通り進めている。 1)社会人用『簡易満洲語会話テキスト』の修正をし、編集がある程度まで進んでいる。 2)物語などについてローマ字転写をしはじめている。 3)三家子村の社会人満洲語学習者はSNSを利用し、満洲語の学習を活発に行われている動向を把握できた。 4)今年の夏休みまでに『簡易満洲語会話テキスト』の編集を終え、現地に配布する予定である。
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今後の研究の推進方策 |
1)社会人用『簡易満洲語会話テキスト』を配布した後、適切かどうかを検証する。 2)現地調査にて、物語などのデータを取り、それについて引き続きローマ字転写をし、分析を行う。 3)社会人満洲語学習者の動向を把握できるようにする。 4)今年の夏休みに現地にて継承活動に関する会話コンテストなどを小範囲内で実施し、村民による自発的な社会ネットワークが継続できるような環境に導きたい。
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