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2017 年度 実績報告書

エチオピアにおけるイスラーム化の史的検証:アラビア文字資料の収集・分析を通してー

研究課題

研究課題/領域番号 17H04528
研究機関南山大学

研究代表者

石原 美奈子  南山大学, 人文学部, 教授 (20329741)

研究分担者 吉田 早悠里  南山大学, 国際教養学部, 准教授 (20726773)
研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2021-03-31
キーワードエチオピア / アラビア文字資料 / ジンマ県 / オロモ / ティジャーニー組織 / 画像データ保存 / イスラーム化
研究実績の概要

オロミア州西部にあるジンマ県においてアラビア文字文献資料収集(画像データ保存)の作業を実施した。代表者石原美奈子は、8月にエチオピアに赴き、ジンマ県において、19世紀後半以降のイスラーム化に重要な役割を果たしたムスリム宗教指導者たちが執筆・所蔵したアラビア文字資料をコピースタンドに固定しパソコンに接続したカメラで撮影した。資料は、宗教指導者たちが自身で作成した宗教詩歌やアラビア語文法に関する書物、イスラーム法に関する書物など多岐にわたる。一部、20世紀初頭当該地域のイスラーム化に尽力したジンマ王国の王から贈呈されたものもあった。この作業により、現在でも当該地域で影響力の大きいティジャーニー組織の有力な指導者であったハッジ・ユースフやシャイフ・マフムードらがどのような書物を保有あるいは執筆したのか、その一端を知ることができた。悉皆調査には至らなかったので、次回の収集作業に課題を残すことになった。
また分担者吉田早悠里は、オロミア州ジンマ県で、同地に1940年代に成立した聖者村にて、1990年代初頭に同村を中心に発生した宗教運動のもとで作られた宗教的詩歌(マンズマ)の写真撮影を行った。今回、撮影した資料は、すべてアラビア文字で書かれているものの、アラビア語とオロモ語が混在したものである。この宗教的詩歌/マンズマは、1980年代後半から90年代初頭にかけて1人のオロモ男性が恍惚状態において作成したものであり、それを住民たちが各々、書き写したものである。また、こうした宗教的詩歌(マンズマ)が作成された当時の村の状況について聞き取りを行った。こうした宗教的詩歌(マンズマ)が、どのように解釈され、宗教運動のなかでどのような役割を果たしたのか、また現在どのように取捨選択されているのかについては、今後の調査で明らかにする予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

アラビア文字資料は、大抵もとの所有主が死去しており、所蔵図書が散逸しているものもあったので、まずは所在を突き止める必要があった。さらに、書物を一ページずつ撮影するので、撮影にかなり時間がかかった。今回の調査で、概ね資料の所在を把握するとともに、資料の量がどの程度あるのかについても検討がついた。

今後の研究の推進方策

今後は、まだ訪問に至っていないティジャーニー組織あるいはサンマーニー組織の元宗教指導者たちが所蔵ないし執筆したアラビア文字資料を調査するとともに、すでに所在がわかっている文字資料の撮影を進める。その合間に調査の中間成果報告について学会発表を行う予定としている。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2017

すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] Change in the Significance of Affiliation to Tariqa: The Case of Tijaniyya in and around Jimma2017

    • 著者名/発表者名
      Ishihara, Minako
    • 雑誌名

      AETHIOPICA, International Journal of Ethiopian and Eritrean Studies

      巻: 19 ページ: 149-164

    • DOI

      https://doi.org/10.15460/aethiopica.19.1.1133

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [学会発表] 「無文字社会における歴史の再構築と外国人研究者の関与:エチオピア南西部カファ地方の事例から」2017

    • 著者名/発表者名
      吉田早悠里
    • 学会等名
      日本文化人類学会中部人類学談話会242 回例会
  • [学会発表] Archiving Viennese resources on the history of Ethiopian peoples2017

    • 著者名/発表者名
      Yoshida, Sayuri
    • 学会等名
      Workshop on Archives as Cultural Heritage: Cases from Japan, Africa and Europe
    • 国際学会
  • [学会発表] 20 世紀初頭エチオピア民族誌的資料のアーカイヴス構築2017

    • 著者名/発表者名
      吉田早悠里
    • 学会等名
      日本アフリカ学会第54 回学術大会

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公開日: 2018-12-17  

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