研究課題
7月に科研の年度研究会を開催し、外部講師として本科研メンバーと異なるアプローチで牧畜民を研究する歴史学者岩本佳子氏(長崎大学)と人類学者宮本佳和氏(国立民族学博物館)を招き、前年度の科研成果である『牧畜を人文学する』を批評してもらい、科研全体に刺激を与え、研究の視野を広げることができた。一部のメンバーは新型コロナウイルス感染状況が好転した地域における補足的な現地調査を実施することができた。感染症流行の継続や政治情勢の悪化により現地調査が困難だったメンバーは、現地研究協力者と連携しながらオンラインでインタビューや意見交換を行うことで、新しい情報を収集し、研究を持続させることできた。これまでの調査で得られた牧畜に関する歴史文献資料や民族誌的なデータの解析を強化しながら、それらを分かり易くかみ砕いて、写真をフルに生かした一般学術図書として『目でみる 牧畜世界:21 世紀の地球で共生を探る』(シンジルト編、風響社、2022)を刊行することができた。この本においては、歴史学的なアプローチを強化し、ユーラシア以外の地域にも着目し牧畜の多様性を重視した。オスマン朝史研究の岩本佳子氏と中央ユーラシア近現代史研究の秋山徹氏(早稲田大学)、南アジアの移動民研究の中野歩美氏(関西学院大学)とアンデス牧畜研究の佃麻美氏(同志社女子大学)、そして東アフリカ牧畜研究の田川玄氏(広島市立大学)に本書の執筆陣に加わってもらい、牧畜「世界」を全体的に描くことができた。本書の誕生によって、牧畜研究を拡張する可能性を示すことができた。
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (13件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件) 学会発表 (7件) (うち国際学会 2件、 招待講演 2件) 図書 (2件) 備考 (1件)
シンジルト編『目でみる牧畜世界――21世紀の地球で共生を探る』風響社
巻: - ページ: 5-10
巻: - ページ: 136-148
巻: - ページ: 32-43
巻: - ページ: 62-73
今村薫編『自然適応と牧畜』(中央アジア牧畜社会研究叢書3)名古屋学院大学現代社会学部文化人類学研究室
巻: 3 ページ: 9-28
巻: - ページ: 74-85
巻: - ページ: 98-102
巻: - ページ: 104-113
巻: - ページ: 114-125
奥野克巳、シンジルト編、MOSAマンガ『マンガ版マルチスピーシーズ人類学』以文社
巻: - ページ: 69-105
Asian ethnology
巻: - ページ: 121-145
巻: - ページ: 37-68
躍動するインド世界の布
巻: - ページ: 60-63
https://www.let.kumamoto-u.ac.jp/ihs/soc/anthropology/shinjilt/ee-project/