研究課題/領域番号 |
17H04547
|
研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
松永 宣明 神戸大学, 国際協力研究科, 教授 (80127399)
|
研究分担者 |
高橋 基樹 京都大学, アジア・アフリカ地域研究研究科, 教授 (30273808)
MASWANA J.C. 筑波大学, ビジネスサイエンス系, 准教授 (30378525) [辞退]
大坪 滋 名古屋大学, 国際開発研究科, 教授 (40247622)
スクサバン ヴィサテップ 兵庫県立大学, 経済学部, 准教授 (80599027)
|
研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
キーワード | イノベーション / 中小企業 / 発展途上国 / 企業家能力 / 企業パフォーマンス / ベトナム / ラオス |
研究実績の概要 |
本研究の目的は,発展途上国におけるイノベーションと企業家能力の実態と課題を数量的に明らかにし,発展途上国がイノベーションの成果を取り入れて経済開発を進めていくために必要な政策を提言することである。この目的に沿って,以下の研究を実施した。 1) 主にベトナムとラオスにおける中小企業のイノベーションと企業家能力に関する研究成果を英文図書として刊行した。英文タイトルはInnovation in Developing Countries: Lessons from Vietnam and Laosであり,Kobe University Monograph Series in Social Science Research (Springer)のうちの1冊である。本書では,発展途上国のイノベーションに関する理論と先行研究を検討し,独自に実施したアンケート調査結果と2次データを用いた計量分析および広範なインタビュー調査に基づいて,発展途上国のイノベーションの実態と課題を企業パフォーマンスと共に明らかにしている。 2) ベトナム(主としてハノイ)の中小製造企業18社等を訪問し,イノベーションの実態とそれが企業パフォーマンスに与える影響についてインタビュー調査等を実施した。 3)ラオスの経済特区(ビエンチャン,パクセ,サワナケット)を中心に企業25社および国際機関・政府機関3ヶ所を訪問し,インタビュー調査等を実施した。 4)以上の研究業績に加えて,国際共著論文を含む論文3本,国際学会での報告3件がある。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
2019年3月に次の英文図書を出版した。Nobuaki Matsunaga (Ed.) Innovation in Developing Countries: Lessons from Vietnam and Laos,Kobe University Monograph Series in Social Science Research (Springer).目次は以下の通りである。 1. Introduction to Innovation/2. Innovation Activities of Micro, Small and Medium Enterprises in Vietnam/3. Human Capital, Innovation, and Productivity in Manufacturing SMEs in Vietnam/4. Organisational Innovation of Manufacturing SMEs in Vietnam/5. Human Capital, Innovation, and Entrepreneurship in Micro and Small Businesses in Laos/6. Conclusions. これに加えて,国際共著論文を含む論文3本,国際学会での報告3件がある。 松永宣明「ベトナムにおける法制度改革と企業発展」金子由芳編著『アジアの市場経済化と民事法』(神戸大学出版会)2019年3月. 高橋基樹「TICAD と FOCAC:日中『協調』下の対アフリカ開発協力のあり方」『SRIDジャーナル』1-9ページ,2018年. Souksavanh Vixathep and Alay Phonvisay, “Determinants of Innovation in Laos: A Survey of Micro and Small Businesses in Vientiane.” 『国民経済雑誌』第218巻第5号, 77-92頁, 2018年11月.
|
今後の研究の推進方策 |
1) ベトナムで民間企業にインタビュー調査を実施するとともに、現地の研究メンバーと協力して詳細なアンケート調査を実施し、その結果を論文にまとめて執筆・刊行する。 2) ラオスにて民間企業にインタビュー調査を実施するとともに、前年度に実施したアンケート調査の結果とEconomic Censusについて分析し、学会で報告した上で、論文にまとめて執筆・刊行する。 3) ラオスとベトナムから研究メンバーを招聘してオープンセミナーを開催する。 4) 以上の成果を踏まえて、CLMV諸国(カンボジア、ベトナム、ラオス)にて現地報告会等を開催して、研究成果を社会実装に結び付ける。
|