研究課題/領域番号 |
17H04548
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研究機関 | 上智大学 |
研究代表者 |
高橋 和志 上智大学, 経済学部, 教授 (90450551)
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研究分担者 |
高野 久紀 京都大学, 経済学研究科, 准教授 (40450548)
ションチョイ アブ 独立行政法人日本貿易振興機構アジア経済研究所, 研究企画部, 海外研究員 (40617461)
會田 剛史 独立行政法人日本貿易振興機構アジア経済研究所, 開発研究センターミクロ経済分析研究グループ, 研究員 (40772645)
黒崎 卓 一橋大学, 経済研究所, 教授 (90293159)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 最貧困層 / 高頻度データ / リスク / 脆弱性 / 経済実験 |
研究実績の概要 |
本研究では、バングラデシュ北部の中州と稲作地域を対象に、現地のNGO、コンサルタント機関と共同で、(1)季節的脆弱性に関する実証分析と(2)コメ販売・購入の動学に関する実証分析を実施する。 (1)では、今年度、多頻度データ収集のためのパイロット調査を実施した。一般に、途上国家計調査では、購入頻度にあわせて、過去7 日間(食料品など)、30 日間(嗜好品、洋服な)、1 年間(教育支出など)の回顧記録に基づきデータを収集し、年間の平均消費水準を算出する。本研究では、より多頻度(年24 回×2 年)の家計調査を実施し、季節的変化を捕捉することを目的としている。大規模本格調査に入る前に、今年度は180世帯の標本家計を対象にパイロット調査を実施し、データ収集上の制約や問題を検証した。 (2)では、バングラデシュ北部の1000世帯の農業用マイクロクレジットの対象農家のうち、ランダムに選定された農家を対象に、コメ収穫後の一括返済を猶予する経済実験を実施し、その後の返済率や、コメの販売時期が変化するかどうかを分析中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の予定通り、多頻度データ収集の本格調査に向け、パイロット調査を開始することができた。コメ販売・購入の動学に関する実証分析については、予算の制約もあり、新規のベースライン調査を行うことはできなかったが、既に収集済みの対象家計データの中に新たな実験コンポネントを入れることで、当初の目的に従った分析ができる準備が整った。
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今後の研究の推進方策 |
季節的脆弱性に関する実証分析については、平成30年度中頃までパイロット調査を続け、その後、パイロット調査の問題点を洗い出した上で、本格的な多頻度データ収集と分析に移行する。 コメ販売・購入の動学に関する実証分析については、平成29年度に収集したデータの分析を進め、論文を執筆し、学会や各大学のセミナーで報告の後、国際ジャーナルへの投稿を行う。
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