研究課題/領域番号 |
17H04548
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 海外学術 |
研究分野 |
経済政策
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研究機関 | 政策研究大学院大学 (2019-2021) 上智大学 (2017-2018) |
研究代表者 |
高橋 和志 政策研究大学院大学, 政策研究科, 教授 (90450551)
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研究分担者 |
後藤 潤 神戸大学, 経済学研究科, 講師 (30732432)
高野 久紀 京都大学, 経済学研究科, 准教授 (40450548)
會田 剛史 独立行政法人日本貿易振興機構アジア経済研究所, 開発研究センターミクロ経済分析研究グループ, 研究員 (40772645)
黒崎 卓 一橋大学, 経済研究所, 教授 (90293159)
ションチョイ アブ 独立行政法人日本貿易振興機構アジア経済研究所, 研究企画部, 海外研究員 (40617461)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 消費平準化 / 貧困 / バングラデシュ / ランダム化比較試験 |
研究成果の概要 |
年間を通じた消費の変動を調べるために、2018年から2020年にかけて、バングラデシュ北部の180の貧困家計を対象に、簡易生計調査を多頻度で実施した。1年目の分析の結果、農閑期に特に消費の落ち込みが激しいことが判明したため、2年目に、農閑期までの貯蓄を促進するランダム化比較試験を、現地のNGOと協力して実施した。その結果、貯蓄へのアクセスを促すことで、農閑期の消費の落ち込みが少なくなることが判明した。特に、消費の7割程度を占める食糧消費において、10%ほどの改善が見られた。このように貯蓄へのアクセス促進による消費上昇効果はあったが、その効果は短命で、農閑期を越えて持続するほどではなかった。
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自由記述の分野 |
開発経済学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
途上国農村部の貧困の季節性については、これまでも広く認識されてきた。にもかかわらず、経済学における既存の貧困動態研究では、年に一度きりの家計調査を数年間実施することが主流であり、農村貧困層の生計活動の季節的変化の実態に迫ったものは、非常に乏しい。本研究は、これまで代表者・分担者が研究の蓄積を進めてきた、バングラデシュ北部農村の貧困層の生計活動に関するデータを多頻度で収集し、これまで十分に議論されてこなかった季節リスクの実態を明らかにするとともに、フィールド実験を通じて、季節リスクの背後にあるメカニズムや、貧困削減効果を高めうる政策デザインを究明するものである。
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