研究課題
2019年度には、日本、インドとアセアンの中国経済台頭への対応および日本経済に対する影響を分析し、国内外の学会や雑誌などで多くの論文を発表・公表してきている。森田は、マルコフ転換ベクトル自己回帰モデルを用いて日本の財政政策の構造変化点と各レジームにおける財政乗数の大きさを検証した。この研究は、今後中国・インドなどの分析に応用することを模索している。胥は、90年以降の日本企業のダインサイジングと退出の背後にある中国のグローバル経済への参入による国際競争の激化を分析した論文を公表し、中国経済への教訓を提示した。絵所は、モディノミクスの成長戦略について、経済成長率やインフレ率などのマクロ経済指標は満足のいく結果を示しているが、「インド製造」という目標が達成されたことを示す十分な証拠は見当たらないことから、雇用のない成長が続いていることも憂慮すべきことであり、インドは十分な雇用機会を創出するために、輸出志向の工業化戦略を採用すべきである。繰越期間の2020年度に、田村の共同研究では、日本の製造業企業の投資戦略の防衛型と探索型傾向を調べ、中長期計画の設定や投資タイミングの認識、事前と事後の採算性のチェックなどの伝統的な投資マネジメントが、防衛型傾向の強い企業業績にプラスの影響を与える一方、探索型傾向の強い企業業績にはマイナスの影響を与えることを明らかにした。中国の研究者と共同では、胥は2004年の投資承認制度改革の準自然実験をもとに、承認制度改革がゾンビ企業のクリアランスに与える影響とそのメカニズムを、二重差分法を用いて実証的に検証した。この結果は、改革によってもたらされた競争効果と規模効果が、ゾンビ企業の自己生成能力を大幅に向上させたことに起因する。ただし、私営企業や競争産業とは異なり、国有企業や独占産業の特殊性が改革の効果を弱めている。
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (7件) (うち国際共著 2件、 オープンアクセス 4件、 査読あり 4件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 2件)
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