研究課題/領域番号 |
17H04556
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研究機関 | 公益財団法人三井文庫 |
研究代表者 |
吉川 容 公益財団法人三井文庫, 社会経済史研究室, 上席研究員 (20201460)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 経済史・経営史 / 日本企業 / 海外進出 / 商社 / 在外支店 / 領事館 / 在外史料 / 接収史料 |
研究実績の概要 |
◇ シドニーでの史料調査:ニュー・サウス・ウェールズ州立文書館、シドニー市公文書館、ニュー・サウス・ウェールズ州立図書館、オーストラリア国立公文書館シドニー分館において史料調査を実施し、シドニー商業会議所年報、日本企業関係登記書類、商工名鑑などを複写収集した。また、戦前期日本企業事務所所在地等の現地踏査を行った。 ◇ ニューヨークでの史料調査:Columbia University Rare Book & Manuscript Library、New York Public library、Municipal Archives(市アーカイブズ)、New York Historical Society、Country Clerk’s Office において史料調査を実施し、ニューヨーク商業会議所年報、Directory of the silk manufacturers of the United States and Canada、茂木関係英文パンフレット、日本商社支店登記書類などを複写収集した。また、戦前期日本企業事務所所在地等の現地踏査を行った。 ◇ 米国国立公文書館での史料調査と史料複写収集:米国国立公文書館 カレッジパーク分館(メリーランド州)において、戦前期在米日本企業関係接収史料(RG131 史料)の調査を行い、現地業者による複写収集対象史料を選定した。本年度中に現地業者への発注により29,800コマの複写画像を収集した。 ◇ 史料目録の整備と公開:複写収集した史料画像利用のために史料細目録データベースの入力作業を進めた。 ◇ 研究会の開催:史料調査の進め方の検討と史料を用いての商社海外支店活動拠点形成に関する共同研究のために、研究代表者と連携研究者により研究会を開催した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
シドニー、ニューヨークにおける史料調査は概ね順調に進み、各地での日本企業支店進出状況を把握できた。米国国立公文書館(カレッジパーク)における史料調査(複写収集対象史料の選定)も順調に進んだが、現地業者の事情により2018年3月末までの複写収集が困難となったので、補助金の繰越申請を行い承認を受けた。繰り越した事業計画(RG131史料の複写収集、史料細目録データベース入力)については繰越申請時の予定通り2019年初頭までに実施できたが、それを踏まえての史料分析に若干の遅れが生じている。
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今後の研究の推進方策 |
2017年度に実施したシドニー、ニューヨークでの調査結果を踏まえて、海外拠点への日本企業進出状況把握のための史料調査を引き続き進める。調査候補地の史料保存状況について事前情報収集に努め調査地の再検討を行った。その結果、2018年度中にはフランス国立公文書館ルーベ分館での史料調査を実施し、2019年度には上海での史料調査を行うこととした。 米国国立公文書館でのRG131史料の複写作業については、史料選択作業の結果に基づき現地業者による複写収集作業を進めている。複写収集した史料についての史料細目録データベース入力作業も引き続き進めている。 また、関連する史料として東京大学経済学部史料室が所蔵する横浜正金銀行関係史料の調査と収集を2019年度中に進める予定である。 米国、オーストラリア等で複写収集した史料の画像並にそれら史料の細目録データベースを在外日本企業史料研究会並に公益財団法人三井文庫の協力のもとで公開する準備を進めている。 収集した史料の分析を、研究代表者と研究協力者が協力して進め、戦前期日本商社の海外進出と貿易圏形成に関する論文集の刊行を目指している。また、2020年9月に開催される第2回世界経営史会議(2nd World Congress on Business History)に向けて本研究課題に関連したセッションの応募準備を進めている。
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